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ギャン(GYAN)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ 」(MS) の一つ。初出は、1979年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。 作中の敵側勢力「ジオン公国軍」の試作機。西洋の甲冑騎士のような外観が特徴で、剣と盾という白兵戦に特化した武装が施されている。当初の設定ではマ・クベ大佐の専用機として開発された〔機動戦士ガンダム公式Web 「メカ-ジオン軍-ギャン」より。〕とされ、劇中でもマ・クベ本人が「自分のために作られたMS」であると発言する〔テレビ版「機動戦士ガンダム」第37話。出撃前のマ・クベとウラガンの会話より。〕。のちに、ゲルググと次期主力量産機の座を争うために別メーカーが開発した機体と設定され、機体構造にも独自の設定が付記されている。 メカニックデザインは大河原邦男。 本項では、メディアミックス企画で設定されたバリエーション機の解説も併記する。 == 機体解説 == ツィマッド社が開発した白兵戦用MS。主武装として高出力の試作ビーム・サーベルと、威嚇・牽制用のニードルミサイルを内蔵した円盤状のシールドを持つ〔皆川ゆか『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』講談社、197頁。〕このような特殊なシールドが作られたのは、ツィマッド社がビーム・ライフルの開発に失敗したからだといわれている。その場しのぎの措置であったが、盾以外の機能を持たせる複合武器としてのコンセプトは、その後のMSにも継承されている(単純にミサイルを搭載したものから、ビーム兵器や実体剣、果てはブースターなど)。また、アクチュエーターの機能を増強させる「流体パルスアクセラレーター」を試験的に導入したとする設定もある〔プラモデル『マスターグレード ギャン』取扱説明書より。〕。そのため、白兵戦(近距離戦闘)においてはかなり高性能であった。 しかし、ビームナギナタだけでなくビーム・ライフルも装備し、対艦戦闘も可能な汎用性の高いゲルググに対し、白兵戦に特化して重火器の使用ができないという運用の難しさがネックとなり(空間戦闘能力の低さも指摘される)、次期主力機トライアウトに敗れている。なお、次期主力MSは既にゲルググに内定しており、次期主力機のコンペティション自体が形式的なものに過ぎなかったともいわれている〔皆川ゆか『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』 講談社、196頁。〕。 同様の対MS戦(白兵戦)、短距離戦を重視した設計思想を持ったMSにMS-07グフがあるが、近接兵器であるヒートロッド(電磁ムチ)、グフサーベルからのビームサーベルの強力化、50mm連装砲がミサイル類となるなど、火力は大幅に増加している。 ロールアウトした試作機3機〔『機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[宇宙編]』049 ギャン より。〕(1機とする説もある〔『TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック (4)』106頁。〕)の内1機はマ・クベ大佐が搭乗、戦闘参加するも撃破された。ニュータイプとして覚醒しつつあったアムロ・レイのガンダム相手に善戦したことから、ギャンの白兵戦能力の優秀さが伺える〔。主力MSの座はゲルググに譲り、量産化や以降のバージョン展開はされなかったとされたが、後年、基本性能や白兵戦能力の高さが評価され、ゲルググとの長所を合わせたガルバルディの開発に至っている〔。また、コンセプトを受け継いだR・ジャジャなど発展機が開発され、ギャン改などのバリエーションも設定されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ギャン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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