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ギリシア神話 : ミニ英和和英辞書
ギリシア神話[ぎりしあしんわ]
(n) Greek mythology
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ギリシア神話 : [ぎりしあしんわ]
 (n) Greek mythology
: [かみ]
 【名詞】 1. god 
神話 : [しんわ]
 【名詞】 1. myth 2. legend 
: [はなし]
  1. (io) (n) talk 2. speech 3. chat 4. story 5. conversation 
ギリシア神話 : ウィキペディア日本語版
ギリシア神話[ぎりしあしんわ]


ギリシア神話(ギリシア しんわ、)は、古代ギリシアより語り伝えられる伝承文化で、多くの神々が登場し、人間のように愛憎劇を繰り広げる物語である。ギリシャ神話とも言う。
古代ギリシア市民の教養であり、さらに古代地中海世界の共通知識でもあったが、現代では、世界的に広く知られており、特に、ギリシャの小学校では、ギリシャ人にとって欠かせない教養として、歴史教科の一つになっている。
ギリシア神話は、ローマ神話の体系化と発展を促進した。プラトーン、古代ギリシアの哲学思想ヘレニズム時代の宗教世界観キリスト教神学の成立など、多方面に影響を与え、西欧の精神的な脊柱の一つとなった。中世においても神話は伝承され続け、その後のルネサンス期、近世近代の思想や芸術にとって、ギリシア神話はインスピレーションの源泉であった〔"Introduction, Greek Mythology" ''Encyclopaedia Britanica'' CD version, 2005。〕 〔グリマル『ギリシア神話』 p.5。〕。
== 概説 ==

=== 口承 ===

今日、ギリシア神話として知られる神々と英雄たちの物語の始まりは、およそ紀元前15世紀頃に遡ると考えられている。物語は、その草創期においては、口承形式でうたわれ伝えられてきた。紀元前9世紀または8世紀頃に属すると考えられるホメーロスの二大叙事詩イーリアス』と『オデュッセイア』は、この口承形式の神話の頂点に位置する傑作とされる。当時のヘレネス(古代ギリシア人による彼ら自身の呼称)の世界には、神話としての基本的骨格を備えた物語の原型が存在していた〔『古代ギリシア文学史』pp.5-7。古代ギリシア人は、ギリシア本土に前二千年紀に南下して後、ミュケーナイを中心に紀元前16世紀頃よりミュケーナイ文化を築き始め、紀元前13世紀にはこの文化は東地中海を席巻した。しかし紀元前12世紀に、ドーリス人を代表とする別系統のギリシア人が南下を始め、アテーナイとアルカディアを残す領域を征服した。先住のギリシア人は小アジアに逃れ、そこにアイオリスとイオーニア方言の領域を造った。ドーリス人を代表とする西ギリシア民族のこの進出によりミュケーナイ文化は凋落し、ギリシアの「暗黒」時代が訪れる。〕 〔『ムーサよ、語れ』p.28 他方、考古学的発掘では、トロイア遺跡丘第七a層の都市が紀元前13世紀半ばに火災で壊滅したことが確認されている。この年代は文献学の立場からのトロイア戦争の時期と一致する。『イーリアス』と『オデュッセイア』以外にも古く叙事詩が存在したことが知られており、ミュケーナイ時代の出来事の遠い反響とも言える。英雄叙事詩は暗黒時代を通じて口承で伝えられ洗練され、紀元前9世紀または8世紀のホメーロスの二大作品として世に知られることになる。〕 〔『ムーサよ、語れ』pp.27-29。とはいえ、ミューケナイ王朝はワカナと呼ばれる帝王を頂点として、オリエント風の官僚組織を備えた一種の専制国家であったことが線文字Bの解読を通じて知られている。遠いミュケーナイ時代の事件は伝わったが、物語の枠組みとしては、暗黒時代を通じて育成されて来た新しいポリス的国家の自由に充ちた気風がホメーロスの叙事詩では表現されている。帝王アガメムノーンに反抗する若き戦士アキレウスの人間像は、ミュケーナイ時代のものではありえないと考えられている。〕。
しかし当時の人々のなかで、特に、どのような神が天に、そして大地や森に存在するかを語り広めたのは吟遊詩人たちであり、詩人は姿の見えない神々に関する真実の知識を人間に解き明かす存在であった。神の霊が詩人の心に宿り、不死なる神々の世界の真実を伝えてくれるのであった〔『神統記』訳注26, pp.127-128、同書・解説 pp.157-160。〕。この故に、ホメーロスにおいては、ムーサ女神への祈りの言葉が、朗誦の最初に置かれた〔『ギリシア神話の世界観』pp.19-20。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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