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『ギリシア棺の謎』(ギリシアひつぎのなぞ、''The Greek Coffin Mystery'' )は、アメリカの推理作家エラリー・クイーンの長編推理小説で、国名シリーズのうちの一作である。1932年に刊行された。 国名シリーズとしては第4作だが、作中の時系列としては最も古く、大学を出たばかりのエラリー・クイーン(作者と同名の主人公)が初めて手がけた事件という設定になっている。「最終的に自分の推理に確信が持てるまでそれを誰にも話さない」をエラリーが実践するようになった理由が、著者の原註という形で描かれている〔事件途中にもかかわらず得意げに披露した推理が全くの的外れだったことがその理由。〕。 == あらすじ == ニューヨークで盲目の大富豪ゲオルグ・ハルキスが死去し、葬儀が執り行われたが、葬儀後に遺言書が金庫から消失していることが判明する。リチャード・クイーン警視の指揮するニューヨーク市警が乗り出すが、懸命な捜査にもかかわらず遺言書は見つからない。大学を出たばかりのエラリー・クイーンは捜査に加わり、遺言状のありかはハルキスの棺の中だと主張するが、暴かれたハルキスの棺から発見されたのは、前科者のアルバート・グリムショーの絞殺死体だった。 捜査が行き詰まる中、エラリーは事件が解決したと宣言し、自分の推理を披露する。ハルキスの書斎に残されていた物的証拠と、死亡した日にハルキスが着用していたネクタイの色から、一時的に視力が回復したハルキスがグリムショーを殺害したと結論する。しかし直後、新証言によって推理は根底から覆され、残された証拠が真犯人による工作だったことに気づいたエラリーは、誤りを認め推理を最初から立て直す。 グリムショーはイギリスのヴィクトリア美術館より盗み出したレオナルド・ダ・ヴィンチの未発表の絵画「軍旗の戦いの部分図」を巡ってハルキスとトラブルを起こしており、消失した遺言書はそれを解決するために、ハルキス所有の画廊の受遺者をグリムショーに指定するよう変更したものだった。問題の絵画は、ハルキスの遺言執行者である金融王ジェームズ・J・ノックスがハルキスより購入していた。盗品ということで返還を要求されたノックスだが、絵画はダ・ヴィンチの作でないと主張し、返還を拒否する。グリムショーは生前パートナーがいることをノックスに明かしており、にせの証拠を残した者こそグリムショーのパートナーであり、グリムショー殺しの真犯人であるとエラリーは結論づける。 遺言書の書き換えによって受遺者から外されたのが、ハルキス画廊の支配人ギルバート・スローンだった。ハルキス邸の隣の空き家の再捜索が行われ、ハルキスの死体が一時的に置かれていた痕跡と、紛失した遺言書の燃え残りが発見される。スローンがグリムショーの兄であるという密告書が届き、またスローンの自室から空き家の合鍵が発見される。真犯人がスローンであると結論したクイーン警視らは、画廊の支配人室に踏み込むが、スローンは頭をピストルで撃ち抜いて死んでいた。被疑者の自殺ということで捜査本部は幕引きを図る。 スローン犯人説に納得できないエラリーは捜査を続け、ついにその死が偽装された他殺であることを突き止める。一方、ノックスのもとに真犯人から脅迫状が届き、盗品所持を明かさない対価として3万ドルが要求してあった。観念したノックスは絵画を引き渡すと告げるが、絵画は隠し場所から何者かによって盗まれていた。脅迫状と絵画の盗難が自作自演であると主張するエラリーはノックスを逮捕させるが、それは真犯人を泳がせるための罠だった。おびき出された真犯人と空き家の地下で対峙したエラリーは銃撃を受けるが、捜査員の反撃によって真犯人は射殺され、エラリーは真相を明らかにする。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ギリシア棺の謎」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 The Greek Coffin Mystery 」があります。 スポンサード リンク
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