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クォークグルーオンプラズマ (Quark-Gluon Plasma, QGP) とは、高温・高密度状態において存在すると予想されているクォークおよびグルーオンからなるプラズマ状態である。高密度状態におけるハドロンからのクォークの解放は1975年にJohn C. CollinsとMalcolm John Perryによって予言され、同年、高温状態におけるクォークの解放がニコラ・カビボとGiorgio Parisiによって予言された。 == 概要 == 低温・低密度状態では、クォークはハドロンの中に閉じ込められており、単独で取り出すことはできない。量子色力学(QCD)による理論計算によると、核子の密度が低い場合は150~200MeV (約1012K)以上の高温状態、ゼロ温度では通常の核子の密度の10倍程度の高密度状態で、多体効果によりその系はクォークとグルーオンからなるガス状態になると予想されている。 クォークグルーオンプラズマはビッグバン後の初期宇宙(高温状態)、あるいは中性子星の内部で実現されていると考えられている。これらをそのまま地球上で再現することは不可能であるが、高エネルギーの重イオンを衝突させることで瞬間的に高温高圧を発生させ、実験的にクォークグルーオンプラズマを作ることが出来ると考えられている。 ブルックヘブン国立研究所 (BNL) の相対論的重イオン衝突型加速器 (RHIC) による実験は、高温高密度物質に関する様々な新現象を明らかにしたが、それらがQGPで説明できるという決定的な証拠はまだない。2005年4月の報告〔RHIC Scientists Serve Up "Perfect" Liquid 〕では、QGPを完全流体(粘性がゼロの流体)であると仮定したときの相対論的流体力学モデルと矛盾しない性質が得られており、これはQGP中の粒子が強く相互作用し合う状態(強相関プラズマ)であることを示唆している。さらに、2008年に稼働した欧州原子核研究機構 (CERN) の大型ハドロン衝突型加速器 (LHC) によるATLAS、CMS、ALICE実験でのさらなる研究によって、量子色力学に基づく理解が得られることが期待されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クォークグルーオンプラズマ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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