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鯨偶蹄目(くじらぐうていもく・げいぐうていもく)は、哺乳綱の1目。クジラ偶蹄目とも書く。鯨偶蹄類、鯨偶蹄上目などとすることもある。カナ書きの原則ではクジラウシ目とされることもある。 遺伝子手法で明らかになった系統にもとづく新しい目で、旧来の偶蹄目(ウシ目)とクジラ目からなる。鯨偶蹄目を置く場合、単系統のクジラ目は(分類階級を目より下げて)存続するが、側系統の偶蹄目は廃止される。 学名 Cetartiodactyla は、Cetacea(クジラ目)と Artiodactyla(偶蹄目)の合成語である。 ==歴史== 従来より偶蹄目とクジラ目は、左右1対の気管支とは別に、右側のみ気管から分岐し右肺へと達する管が存在するという共通した特徴をもっていることが知られていた〔遠藤秀紀 『解剖男』講談社 161–163頁〕。そのためこの両者は近縁と考えられていて、この2目を姉妹群とする説はあった(ただし、必ずしも広く認められていたわけではない)。これら2目からなる系統の名として が使われ、分類階級は上目、または、下門と目の間の名前のない階級とされた。 1994年以降、ミトコンドリアDNA法などにより、クジラ目の姉妹群はカバである可能性が示唆されていた。クジラ目とカバからなる系統は と名づけられた。 1997年、島村満らは、偶蹄目とクジラ目が姉妹群なのではなく、クジラ目が偶蹄目の内系統であり、偶蹄目は側系統であることを明らかにした〔Molecular evidence from retroposons that whales form a clade within even-toed ungulates. Shimamura, M., Yasue, H., Ohshima, K., Abe, H., Kato, H., Kishiro, T., Goto, M., Munechika, I. And Okada, M. 1997. Nature. 388 〕。 1999年、二階堂雅人らは、SINE法(反復配列の違いを比較する方法の一種)により、偶蹄目とクジラ目の詳細な系統を明らかにした。従来から示唆されていた通り、クジラ目の姉妹群はカバだった〔Phylogenetic relationships among cetaritodactyls based on insertions of short and long interspersed elements: Hippopotamuses are the closest extant relatives of whales. Nikaido, M., A.P. Rooney and N. Okada 1999. Proc. Natl. Acad. Sci. 96: 10261-10266. 〕。 SINE法による結果は、その後の研究でも支持された。これらに従い、側系統となった偶蹄目は廃し、 を目とみなすことが多くなった。なおこのような場合、クジラ目を偶蹄目に含めて偶蹄目を単系統にして存続させることも考えられるが、上記のように、偶蹄目とクジラ目を合わせた系統にすでに名前が付いていたため、このようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「鯨偶蹄目」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Cetartiodactyla 」があります。 スポンサード リンク
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