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クマノコガイ(熊の子貝)、学名 ''Chlorostoma xanthostigma'' は、 クボガイ科に分類される古腹足亜綱の巻貝の一種。本州中部から台湾までの温暖な岩礁海岸で見られる小型の巻貝で、食用に漁獲されることもある。和名末尾の「貝」を省略し「クマノコ」と呼ばれることもある。 ==特徴== ;殻 成貝は殻高・殻径とも35mmに達するが、15-30mmほどの個体が多い。貝殻はやや丸みを帯びた円錐形で上面に細かい成長肋が斜めに走るが、ほぼ平滑である。殻上面の色は一様に鈍い黒で、個体によっては褐色や緑色を帯びる。ただし海岸に打ち上げられ日光や波浪に晒された死殻は灰色や紫褐色に褪色する。さらに表面の磨耗が進むと弱い光沢のある真珠層が現れるものもいる。若い個体は螺塔が低くそろばん珠のような外見で、殻上面に2本の螺肋がある。成長すると螺塔が高くなって円錐形に近くなり、螺肋もなくなる。 殻の底面は上面よりもいくらか白っぽく、特に殻口周辺は真珠光沢も出る。殻底中心部は緑色か橙色を帯び、クボガイ属に共通する特徴を示す。臍孔はくぼむが、はっきりとした孔は開かない。蓋は革質・多旋型で褐色をしている。 和名は殻上面の質感がクマの毛皮を想わせることに由来する。殻上面が黒一色で肋もごく細かいことから、クボガイ、コシダカガンガラ、オオコシダカガンガラ、バテイラなどの類似種とは容易に区別できる。学名は、属名"''Chlorostoma''"が「緑色の口」、"''xanthostigma''"が「黄色のスティグマ」の意で、どちらも殻底中心部の色に由来する。 ;軟体 軟体のうち、露出部はほぼ全体が真っ黒だが、足の裏側は淡肉色~黄白色。殻内に収められている部分は概ね黄白色だが、成貝では巻き始めの部分(生殖腺)の色が雌雄で異なり、メスは暗緑色、オスは黄白色である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クマノコガイ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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