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クモタケ : ミニ英和和英辞書
クモタケ
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


クモタケ : ウィキペディア日本語版
クモタケ

クモタケは、子嚢菌門フンタマカビ綱ボタンタケ目オフィオコルジケプス科に属する菌類の一種である。いわゆる冬虫夏草の一つとして扱われる。
== 形態 ==
子実体はいわゆる分生子柄叢(シンネマ synnema)で、一体の宿主から通常は一本ずつ(まれに二本)生じ、細長い円筒状の柄と、柄よりやや太くてソーセージ状の頭部とで構成され、全体の高さは3-8センチ程度、そのうち頭部の長さは(1-)2-4センチ程度である。柄は白色・平滑で径1-4ミリ程度、柔らかい肉質で中空、その基部はほぼ完全に宿主体を包み込んだ白色の菌糸塊につながる。頭部は円筒形ないし細長いソーセージ状、先端は尖らず円頭状をなし、もっとも太い部分の径 1.2-4.5ミリ程度、無数の分生子におおわれて肉眼的には灰紫色・粉状を呈する〔Kobayasi, Y., 1941. The genus ''Cordyceps'' and its allies. Science Report of the Tokyo Bunrika Daigaku 84: 53-260. 〕〔清水大典、1994.原色冬虫夏草図鑑.380 pp.誠文堂新光社、東京.ISBN 978-4-41629- 410-9〕〔清水大典、1997.カラー版 冬虫夏草図鑑.446 pp.家の光協会、東京. ISBN 978-4-25953-866-8〕。
アシダカグモ(''Heteropoda venatoria'')などの地中営巣性以外のクモ(造網性あるいは徘徊性のクモ)が宿主となった場合には、こん棒状の典型的な子実体を形成せず、宿主の体表背面に直接に多数の分生子柄を作り、その上に無数の分生子(無性胞子)を生じるため、宿主は淡灰紫色の粉塊におおわれるにとどまる〔Greenestone, M. H., Ignoffo, C. M., and R. A. Samson, 1987. Susceptibility of spider species to the fungus ''Nomuraea atypicola''. The Journal of Arachnology 15: 266-268. 〕〔盛口満、2014.琉球列島の冬虫夏草(その5).冬虫夏草34: 35-37.〕。
柄の組織は平行に並んだ無色の菌糸(径2-4 μm:隔壁を欠く)で構成される。頭部の基本組織は、ほぼまっすぐかあるいはやや屈曲した無色の菌糸(多くは分岐せず、径 3-5μm、多数の隔壁を有する)からなり、その表面から立ち上がった菌糸上に分生子形成細胞(フィアライド)を生じる。分生子柄は菌糸末端の頂部から求心的に密な束となって3-5個ずつ形成されるが、主菌糸の伸長に伴って新たな分生子柄群を生じるため、じゅうぶんに生長した子実体においては、主菌糸の中途から数段に渡りフィアライドが節状をなして輪生することとなる。個々のフィアライドは卵形~長楕円形をなし、薄壁で径15-25μm程度、その上部は頸状~アンプル状に細まることなく、分生子を順次に芽出する。分生子の形成様式は出芽型で、形成された分生子は鎖状の連鎖を形成するが、分生子同士の連結はごく緩い〔N. L., and Sivichai, S. 1995 ''Cordyceps cylindrica'' and its association with ''Nomuraea atypicola'' in Thailand. Mycological Research 99: 809-812. 〕。分生子は細長い楕円形で、顕微鏡下ではほぼ無色・単細胞かつ薄壁、大きさ 5.6-6.3×1.2-2.0μmである〔〔(顕著な子実体を形成せず、宿主体上に直接に分生子形成構造を生じる型では、2-2.5μmと短径がやや大きいこともある〔R. A., and M.C.Rombach, 1987. ''Torrubiella ratticaudata'' sp.nov. (Pyrenomycetes: Clavicipitales) and other fungi from spiders on the Solomon Islands. Mycologia 79: 375-382.
)。また、アルゼンチン産の資料標本では、分生子の大きさについて、4.0-5.5×1.4-1.7μmという計測値がある〔 F. A., Goloboff, P. A., and R. A. Samson, 1990. ''Actinopus'' trapdoor spiders (Araneae, Actinopodidae) killed by the fungus ''Nomuraea atypicola'' (Deuteromycotina). Acta Zoologica Fennica 190: 89-93. 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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