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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
ヘミエンジン(''Hemi Engine'')とはV字形の給排気バルブ配置とセンタープラグの半球型燃焼室を持ったクロスフローOHV方式のハイパフォーマンスエンジンのことである。HemiはHemispherical(ヘミスフェリカル:半球状の〜)の短縮形であり、燃焼室形状がそのままエンジンの通称となった。クライスラーを代表するエンジンのひとつである。 == 概要 == 市販自動車用OHVエンジンでは、シリンダーブロックのクランクシャフトに近い位置に置かれたカムシャフトの上に、カムの数だけプッシュロッドを並べ、シリンダーヘッド(プッシュロッド上部)のシーソー式ロッカーアームでプッシュロッドの動きを反転させ、ポペットバルブ(以下バルブと略)を押し下げる方法が一般的である〔このロッカーアームの採用で、燃焼室形状の最適化(燃焼速度と燃焼効率の向上)と燃焼室の表面積(熱損失)を小さくすることができ、サイドバルブ式から大きな進化を果たした。〕。このレイアウトでは吸気バルブと排気バルブが1列に並び、バルブ挟み角がほぼ0°となる。 吸排気の方式がカウンターフローで、バスタブ(風呂桶)形やウェッジ(楔)形の燃焼室形状が一般的であった時代はこれで十分で、これによりエンジン構造が単純となり、設計、開発、生産時のコストダウンが可能となり、販売後の信頼性や整備性の向上にも寄与していた。ただし、狭い燃焼室内でバルブが隣り合う形のため、バルブ傘部の径(開口面積)の拡大には限界があり、大量の混合気の導入と、素早い排気が必要となる高回転域では高い効率が追求できず、高出力化(高性能化)には不向きであった。ヘミエンジンでは、半球形の燃焼室と、挟み角を大きく取ったバルブ配置により、レース用のDOHCエンジンのように大径バルブ(ビッグバルブ)を採用することによって、OHVレイアウトながらOHCエンジン並みの高出力を発生することが可能となった。従来のOHVエンジンよりも構造は大分複雑になるものの、DOHCやSOHCのようにエンジン上部のカムシャフトを駆動するタイミングチェーン、またはベベルギアやギアトレインと言った機構が不要となるため、DOHCはもとより、OHCに対しても比較的安価に生産出来た。 1950年代当時、このようなコンセプトの市販自動車用エンジンは希少で、フランスのゴルディーニがルノーの競技用車と高性能車に提供していた程度である〔ゴルディーニが手がけたOHV、クロスフローエンジンを搭載したドーフィンゴルディーニ(1956年 - 1963年、1965年)。その後、R8ゴルディーニ(1964年 - 1970年)やアルピーヌ・A110のエンジン(1965年 - 1971年)でも同様の手法が採られている。これらのエンジンのヘッドカバーには、ゴルディーニ製を示す、「G」の浮き出し文字が見られる。〕。 1964年、クライスラー社は高性能エンジンにヘミヘッド(第二世代)を再びラインナップし、他社との差別化のため、「HEMI」を登録商標とする。 北米でも、もちろん「ヘミ」で通じるが、「ヘムアイ」と発音する場合(地域)がある。 日本の自動車メーカーでも、東洋工業(当時。現・マツダ)の初代キャロル用エンジンや、トヨタのV型エンジン(1967年の3V型から1982年の5V型まで)〔初代センチュリー専用。〕と、北米輸出の本格化を睨んで高度なメカニズムの採用を避けた〔トヨタ・モーター・セールスの目の届かない地域の修理工場での扱いと、彼の地のDIY文化を考慮したもの。OHVは、練度の高くない整備士や、知識のある素人でも、間違いの無い組み付けが比較的容易にできる。〕T型エンジンの大半〔DOHCヘッドを持つ2T-G型、および後発の3T-GTEU型、4T-GTEU型を除く。T型系列は、OHVの旧弊なイメージを払拭するため、日本国内での宣伝用には、「パッションエンジン」のキャッチコピーが与えられていた。〕などのフォロワーが見られる。また、1980年代に主にオーストラリアなどでハイパワーのイメージのみを利用し、名称を借用した直列6気筒の「Hemi-6」や、半球状燃焼室を備える以外、機構に全く共通点の無い三菱・アストロンエンジンを搭載したモデルを、クライスラー自身が「ヘミ」の名称で販売していたことがあった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クライスラー・ヘミエンジン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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