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クリプタンド cryptandクリプタンド
クリプタンド (cryptand) は2つ以上の環からなるかご状の多座配位子の総称で、さまざまなカチオンに対して選択的な配位能力を持つさまざまなクリプタンドが知られている〔von Zelewsky, A. ''Stereochemistry of Coordination Compounds''; John Wiley: Chichester, 1995. ISBN 0-471-95057-2.〕。1987年のノーベル化学賞は、クリプタンドとクラウンエーテルを発見・開発し、超分子化学〔Lehn, J. M. ''Supramolecular Chemistry: Concepts and Perspectives''; VCH: Weinhiem, 1995.〕の発展の礎を築いたドナルド・クラム、ジャン=マリー・レーン、チャールズ・ペダーセンの3者に与えられた。「クリプタンド」の名は、取り込まれたゲスト分子を墓 (crypt) に埋葬された遺骸になぞらえて付けられた。クリプタンドはクラウンエーテルの設計概念を三次元構造へと展開したもので、より高い選択性と包接能力を持つ。生成する錯体は脂溶性を示す。 ==構造== もっとも多用され、研究されている化合物は化学式 N(CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2)3N で表されるものである。IUPAC名は1,10-ジアザ-4,7,13,16,24,24-ヘキサオキサビシクロヘキサコサン 1,10-diaza-4,7,13,16,21,24-hexaoxabicyclohexacosane だが、煩雑なため クリプタンドと通称されている。角括弧内の数字は、窒素原子によって連結された3本の鎖の中に含まれる酸素原子(配位原子)の数を表している。商品名 Kryptofix として市販されているクリプタンドもある。配位原子が窒素のみからなる(アミンだけを含む)クリプタンドはアルカリ金属のカチオンに対して特に高い親和性を持ち、それを用いた K− イオンを含む塩(•K-)の単離が報告されている〔Kim, J.; Ichimura, A. S.; Huang, R. H.; Redko, M.; Phillips, R. C.; Jackson, J. E.; Dye, J. L. "Crystalline salts of Na− and K− (alkalides) that are stable at room temperature." ''J. Am. Chem. Soc.'' 1999, ''121'', 10666–10667. 〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クリプタンド」の詳細全文を読む
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