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クリ胴枯病(英名:chestnut blight)とはクリ属の樹木に発生する感染症である。 クリの病気の中でも最も有名で、症状も重いために恐れられているもののひとつ。単なる一つの病気としてだけでなく、偶発的に侵入したアメリカ大陸において猛威をふるい抵抗性のない現地のクリ類を壊滅状態まで激減させたことでよく知られる。このために本病にニレ立枯病(オランダニレ病)と五葉マツ類発疹さび病を加えた3つを樹木の世界三大病害と呼ぶ。 == 症状 == 葉の萎れ、および幹や枝に形成される病斑(canker)などと呼ばれる褐色に変色した病変部〔William A. Murrill,(1906) A new chestnut disease . Torreya 6(9): 186-189.〕〔Sandra L. Anagnostakis, (1987) Chestnut blight: the classical problem of an introduced pathogen . Mycologia 79(1): 23-37.〕が特徴。病班は滑らかな樹皮を持つ若い木や細枝では分かりやすいが、年老いて樹皮の凹凸が目立つと分かりづらい。病班には大きく分けて急速に拡大する急性型とゆっくり拡大する慢性型の2つが知られており、一般に前者は予後が悪い。急性型の患部は平滑であるが、慢性型ではクリ側の抵抗の結果患部の膨張が見られる。重症例では病変部より上部が急激に枯死する。落葉は見られず葉を付けたまま枯れるのも特徴とされる。病変部には凹凸状の発疹が形成される。これは病原菌の子実体であり新たな感染源となる。 病変部直下から萌芽が見られることも多いのも外見的特徴の一つ。病勢は乾燥と高温が続く晩夏から初秋の時期に最も強くなり、抵抗性のあると言われる種類でも急速に枯れることがある。 日本産種の苗木を観察した結果では発病部位は梢端部や接ぎ木の接合部分などに多いという。また、感染はしているが外見上症状のない状態(不顕性感染)の個体がかなり含まれていると見られ、植え替えなどの刺激で発病する例が多いという〔内田和馬 (1971) クリ胴枯病の苗木による伝播とその防除 . 関東東山病害虫研究会年報18〕 File:Castanea dentata - blight 1.jpg|胴枯病を発病したアメリカグリ。幹下方に褐色に変色した病変部が見える。 File:Chestnut blight on tree in Adams County Ohio.jpg|幹に見られる発疹状の病原菌子実体 File:Chestnut blight on cut tree in Adams County Ohio.jpg|罹病木切断面。外縁部に変色が見られる 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クリ胴枯病」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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