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クルマシダ ''Asplenium wrightii'' は、チャセンシダ科のシダ植物。この類では大きくなる方で、厚手のつやつやしい単羽状の葉を付ける。 == 特徴 == 常緑性の多年生草本〔以下、記載は主として岩槻編(1992),p.144〕。根茎は短くて直立し、鱗片を付ける。鱗片は暗褐色で格子状を成し、三角状披針形から線形で長さ5-7mm、幅1-1.2mm、縁に毛がある。葉を束状に出し、葉柄は長さ15-25cm(時に40cmまで)、全体に緑色だが褐色や紫を帯びることもある。また鱗片が付いており、表側には溝がある。葉身は単羽状複葉に裂け、全体としては広披針形で長さ30-80cm、幅は15-25cm(時に30cm)。羽片は最下のものが最も大きく、上に向かって順次小さくなってゆく、先端もそのまま続き、頂羽片として区別出来るものはない。葉質は厚いが柔らかく、全体に濃緑色で表面は滑らかでつやがある。羽片は10-20対あり、個々の羽片は披針形で、先端が葉の先端向きに曲がった鎌形をしている。長さは7-17cm、幅は1-2cm、時に3cm。先端は尖っており、縁には鋸歯が並び、基部は葉の先端側に耳状に尖る。また下方の羽片には短い柄がある。葉脈は1-2回叉状に分岐する。 胞子嚢群は線形で羽片の軸近くからほとんど縁まで達する。包膜は長さ1.5cmまで、縁に腺毛状の突起が並ぶ。 和名は車シダの意味で、葉が株から車輪のように出ることによる。別名にクリュウシダがあり、これは和歌山県古座町(現串本町)の沿岸にある九龍島で明治10年に採集されたことにちなむという。ちなみに島の名の読みは、実は「くろしま」である〔牧野(1961),p.46〕。なお、和名の由来である「葉が車輪状」というのは、見た目にはそぐわないとの評もある〔池畑(2006)P.61〕。 File:Asplenium wrightii kurumasd02.jpg|群落の様子 File:Asplenium wrightii kurumasd05.jpg|葉の表面 File:Asplenium wrightii kurumasd11.jpg|裏面、胞子嚢群 File:Asplenium wrightii kurumasd12.jpg|同・先端部 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クルマシダ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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