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グック(Gook)とは、「土民」「原住民」といったニュアンスを持つ、東アジア人、東南アジア人に対する差別語。 20世紀初頭、米比戦争に出征したアメリカ海軍兵士が、現地のフィリピン人を指して用いたのが始まり。その後、太平洋戦争中にはミクロネシア人、フィリピン人、沖縄人〔 The Good War: An Oral History of World War II Studs Terkel, 1997〕など、戦闘地域の住民が一まとめに「グック」と呼ばれた。また朝鮮戦争、ベトナム戦争時の米軍兵士が、主に東アジア人に対する侮蔑語として使用し、定着した〔Wentworth, Harold and Stuart Berg Flexner, ''Dictionary of American Slang''(1960)).〕〔Karp, Ivan, ''Doobie Doo '' 1967, p. 97.〕。 == 起源 == 1893年刊行のスラング辞典では「低級売春婦」と定義されており〔John S. Farmer and W. E. Henley, ''Slang and its Analogues, Past and Present '' (1893).〕、海軍が現地女性を罵る目的で用いたものと見られる〔Pearson, Kim, "Gook ".〕〔Roediger, Dave, "Gook: the short history of an Americanism " ''Monthly Review,'' March, 1992.〕。「マクマク(''mak mak'')」や「ググ(''gugu'')」といった語の影響を受けたとされ、特に「ググ」はフィリピン人の話し方の真似から発生〔。H・L・メンケンによると、「1912年にニカラグアを占領した海軍は、現地人をフィリピン人の呼称の1つであるグックと呼んでいた」という〔Dickson, Paul, ''War Slang,'' (2004), p. 29. Dickson cites Mencken's ''The American Language,'' Supplement 1 (1945).〕。また、1950年の映画「鬼軍曹ザック」など一連の戦争映画でも使用例がある〔''The Steel Helmet '', 1951.〕。 民間語源(就中ネットスラング)では韓国語で「国」を意味する「''국''(グク)」に由来〔Cao, Lan and Himilce Novas. ''Everything You Need to Know About Asian-American History''. New York :Plume, 1996 "Gook, the American racial epithet for all Asian Americans, is actually the Korean word for 'country.'" Robert G. Lee, ''Orientals: Asian Americans in Popular Culture'' (1999) "A bastardization of the Korean "Hanguk" (Korean), or Miguk (American)"〕。これは、朝鮮戦争で米軍が朝鮮軍や市民に相対する中で、現地民が「アメリカ合衆国」を意味する「''미국''(ミングク、美国あるいは民国)」という語を口にするのを聞いて、米軍が「''Me gook?''(ミー・グック)」とコングリッシュで解したものと見られる〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「グック」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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