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グラブス触媒(—しょくばい、Grubbs catalyst)とは、ロバート・グラブスらによって報告されたルテニウムカルベン錯体のことであり、オレフィンメタセシス反応の触媒として主に用いられている。右図に示す2種の錯体がグラブス触媒の代表例として知られており、それぞれ第1世代グラブス触媒、第2世代グラブス触媒と呼ばれている。また、これらの触媒を更に改良したものもいくつか報告されている。一般にグラブス触媒は、オレフィンに対する官能基選択性が高く、また水や酸素にも安定で扱いやすいことから、有機合成化学の分野で広く利用されるようになった〔''Handbook of Metathesis''; Grubbs, R. H., Ed.; Wiley-VCH: Weinheim, 2003. ISBN 3-527-30616-1 〕。 == 第1世代グラブス触媒 == 1995年に報告されたベンジリデンカルベン配位子と2つのトリシクロヘキシルホスフィン配位子を持つ錯体が第1世代グラブス触媒と呼ばれる〔Schwab, P.; France, M. B.; Ziller, J. W.; Grubbs, R. H. ''Angew. Chem. Int. Ed.'' 1995, ''34'', 2039. DOI:10.1002/anie.199520391 〕。場合によっては、1992年に報告された触媒〔Nguyen, S. T.; Johnson, L. K.; Grubbs, R. H.; Ziller, J. W. ''J. Am. Chem. Soc.'' 1992, ''114'', 3974. DOI: 10.1021/ja00036a053 〕も含めて第1世代と呼ばれることもあるが、あまり一般的ではない。この錯体は RuCl2(PPh3)3 とフェニルジアゾメタン、トリシクロヘキシルホスフィンから容易に合成でき、良好な収率で得ることが可能である。また、既に市販もされている。一般に取り扱い容易であると言われているが、確かに錯体化学者の立場から見ると十分に安定であり、取り扱うにあたり特に注意を払う必要性はない。しかしながら有機化学者の立場から見ると注意を要する。実際、次に述べる第2世代グラブス触媒に比較すると酸素や水に対する感受性が高い。純度の高いものはくすみのない紫がかったピンク色の固体であり、経時変化により茶色がかってくる。販売メーカーによっては購入した時点で既に茶色の固体となっているケースがあるが、色の変化による活性の違いについて検討された例は知られていない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「グラブス触媒」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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