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キツネ目の男(キツネめのおとこ)とは、グリコ・森永事件において、現金受け渡しの過程で2度目撃された男で、犯人グループの一員と目された男である。その風貌がキツネを連想させる釣り目であったことから名づけられた。 == 概要 == 1984年6月28日夜、グリコ・森永事件の犯人グループによる丸大食品脅迫事件で指定された旧日本国有鉄道東海道本線高槻駅→京都駅間で捜査員の動きを見張るような動きをしていた。不審に感じた捜査員は男を尾行したが、男は尾行をまくような不自然な動きを繰り返して、京都駅中央口付近で行方をくらませた〔朝日新聞大阪社会部『緊急報告グリコ・森永事件』朝日新聞社、1985年、pp.133-134〕。 同じ犯人グループが起こしたハウス食品脅迫事件での1984年11月14日夜の現金受渡しでは、名神高速道路大津サービスエリアで帽子を被りサングラスをかけた男が2人の捜査員によって目撃された。捜査員の1人は丸大事件でもこの男を目撃しており、同一人物と断定された〔朝日新聞大阪社会部『緊急報告グリコ・森永事件』朝日新聞社、1985年、p.273〕。なお、このとき捜査本部は現金受渡しで現行犯逮捕する方針を採用しており、捜査員2人は尾行や職務質問は禁じられており、警察無線で男を目撃したことと職務質問をかけたいと要請したが、一網打尽にしたいとする本部によって拒絶され、男を目撃しただけにとどまった〔朝日新聞大阪社会部『緊急報告グリコ・森永事件』朝日新聞社、1985年、p.274〕〔森下香枝『グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人』朝日新聞社、2007年、pp.163-164〕。 犯人グループは1985年4月3日の挑戦状でキツネ目の男が自分たちの一味であることを否定したが、2度にわたり計7人の大阪府警一課の特殊捜査員に目撃されたため、捜査本部は犯人グループの一員と断定している〔朝日新聞大阪社会部『緊急報告グリコ・森永事件』朝日新聞社、1985年、pp.340-341〕〔森下香枝『グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人』朝日新聞社、2007年、p.132〕。 1984年6月29日に捜査資料として似顔絵が作成され、12月25日付夕刊で『朝日新聞』がこの男について報道、次いで12月31日にも『毎日新聞』が報じたため、大阪府警捜査本部が1985年1月10日に似顔絵を一般公開した〔〔森下香枝『グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人』朝日新聞社、2007年、pp.119-120〕。 身元は不明であるが、推定年齢は35歳から45歳、身長は175センチから178センチ〔。 キツネ目の男については、時効までに9千件以上の情報が寄せられて、目撃した7人の捜査員が捜査にあたった〔。捜査員の間では英語でキツネを意味するFOXの頭文字からFと呼ばれていた〔『別冊宝島1188 戦後未解決事件史』宝島社、2005年、p.17〕。7人の捜査員を中心にした約20人のF情報捜査班が設置されて、情報が寄せられた人物や写真の確認作業が行われた。しかし、キツネ目の男を2度目撃した捜査員が再確認したいと思うような人物や情報はその中に皆無だったという〔大阪府警捜査一課特殊犯元警部・松田大海「『キツネ目の男を追え!』 グリ森事件 『22年間の捜査員秘録』」『週刊新潮』2007年1月4日・11日合併号、pp.52-55〕。 事件を担当した大阪府警の本部長だった四方修は、目撃情報はあてにならないとして信頼性に疑問のある似顔絵の公開に消極的だったが、警察庁が積極的で公開されたという〔「本誌最後のスクープ! 真犯人は茨木市内の標準語の男 四方修・元大阪府警本部長インタビュー」『読売ウィークリー』2009年12月14日号、pp.13-17〕。捜査本部ではキツネ目の男を最重要視していたが、有力な情報があってもこの方針のもとで似ていないということで捜査打ち切りになることに警察内部で軋轢が生じたとも言われる 〔一橋文哉『闇に消えた怪人 グリコ・森永事件の真相』新潮文庫、2000年、pp.406-409〕。 俗称としてグリコ犯人、森永犯人と呼ばれていた(グリコ・森永犯人とも)。また、狐目の男や、キツネ目の長身男などとも呼ばれた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「キツネ目の男」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 The Monster with 21 Faces 」があります。 スポンサード リンク
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