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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
グレゴリー・"パピー"・ボイントン(Gregory "Pappy" Boyington、1912年12月4日 - 1988年1月11日)は、太平洋戦争で活躍したアメリカ海兵隊のエース・パイロット。名誉勲章受章。第214海兵攻撃飛行隊「ブラックシープ」隊長。最初の渾名は最古参パイロットだった事から「グランド・パッピー」だったが、略されて「パッピー」となった〔ボイントン、1993年、101頁〕。 == 経歴 == アイダホ州で生まれ、ワシントン大学卒業後に予備役将校訓練課程に従い1934年に海兵隊入隊。飲酒癖のため閑職にいたところを、1941年9月、「1機撃墜ごとに500ドルのボーナス」に騙され、また離婚直後で経済的苦境にあったことからフライングタイガースに参加〔ボイントン、1993年、15頁〕。P-40を操縦して日本軍と戦った。初陣では軽快な九七式戦闘機に格闘戦を挑んで撃墜されかけたが〔ボイントン、1993年、46頁〕、一撃離脱戦法を守ることで撃墜数を増やした。中国、ビルマ戦線で戦った後、1942年11月、海軍次官に直訴して海兵隊に復帰する。 1943年1月、南太平洋戦線に参加、第222海兵攻撃飛行隊長を務めた。宴会中の喧嘩で負傷〔ボイントン、1993年、90頁〕ののち後方任務に就いていたが、自ら第214海兵攻撃飛行隊「ブラックシープ」を作り前線に戻る〔『撃墜王戦記』108頁の記述によれば、部下達と相談の上、新聞受けの良い名前を考案した。一方、"持て余し者"という意味もある。〕。F4U戦闘機を操縦し、F4Uでの初出撃で零戦を5機撃墜するなどニューギニアの航空戦で活躍。11月にはブーゲンビル島のブインを夜襲し、巡洋艦を炎上させた〔ボイントン、1993年、134頁〕。 1944年1月3日、ラバウル上空において撃墜記録28に達した直後、僚機を援護中に零戦によって撃墜された(川戸正治郎による戦果と推定されている)。漂流中に日本海軍の潜水艦に救助される。その後、ラバウル、トラック島や硫黄島を経て大船捕虜収容所(横須賀海軍警備隊植木分遣隊)に送られた。大船では海軍軍令部の実松譲の尋問を受けた〔笹本、2004年、188頁〕。1年8ヶ月後に大森捕虜収容所に移送され、終戦まで捕虜生活を送った〔笹本、2004年、193頁〕。理不尽な暴力に何度もあったが、同様に上官から暴力をふるわれる日本軍兵士や日本の民間人を冷静に観察しているし、親切に接してくれた日本人に対する感謝の念も忘れなかった。大船時代に炊事係となった際に、地元に住む中年の「オバサン」と親しくなり、密かに食べ物や菓子を分けてもらい、戦後に仲間が訪日するときに彼女への土産を預けたという〔。 終戦後、新聞の報道とムア少将の尽力により、現役に復帰して中佐に進級する〔ボイントン、1993年、232頁〕。海軍殊勲章と議会名誉勲章を受賞したが、飲酒の問題もまた再発。間もなく退役した。 退役後も飲酒の問題は改善されず職を転々としたが、1955年にアルコール依存症患者を救済する団体の支援もあり克服、その後はアルコール依存症に苦しむ人たちを支援する活動にも従事した。〔ボイントン、1993年、248頁〕 1958年、フライング・タイガースへの参加から戦時体験(捕虜時代も含めて)を記した自叙伝『BAA BAA BLACKSHEEP』が出版。後に1970年代にロバート・コンラッド主演でTVドラマ化されている。1993年、日本でも光人社より『海兵隊撃墜王空戦記零戦と戦った戦闘機エースの回想』のタイトルで和訳刊行、後2004年に『海兵隊コルセア空戦記零戦と戦った戦闘機エースの回想』と改題。 『デビル500応答せず』(映画『イントルーダー 怒りの翼』原作)の作者、スティーヴン・クーンツが編纂したアンソロジー『撃墜王』(原題:「WAR IN THE AIR」、高野裕美子・訳。講談社文庫)にも本作から一節が引用されている(『海兵隊撃墜王空戦記』第九章『ラバウル攻撃』第一節「ベララベラを基地に」にて書かれている1943年のクリスマスに関するエピソード)。なお、『撃墜王』訳者の高野裕美子は本作のタイトルを「めえめえめんようさん」と訳している。 1988年死去。 なお、彼の編成した海兵第214戦闘飛行隊の流れを汲む海兵第214攻撃飛行隊(VMA-214)においては、AV-8BハリアーⅡ攻撃機を使用する現在にあっても飛行隊長機のキャノピーフレーム近辺には彼の名前が記されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「グレゴリー・ボイントン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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