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グローバル・インバランス(英:Global Imbalances)とは、2000年以降顕著となった世界的な経常収支の不均衡を指す。アメリカの巨大な経常収支赤字が長年に渡って続く一方で、中国を始めとしたアジアや産油国、ドイツの経常収支黒字が続くという状況が長年にわたって継続している〔白井さゆり(2009)「世界経済危機とグローバル・インバランス-国際経済秩序へのインプリケーションー 」慶応義塾大学総合政策学部, pp.5参照。〕。この問題はグローバル・インバランス問題と呼ばれる。アメリカの巨大な経常収支赤字の裏には巨額の経常収支黒字を計上している国があるはずであり、ベン・バーナンキによる過剰貯蓄仮説のように、グローバル・インバランスの原因は経常収支黒字国の国内問題(過剰貯蓄)であるとする考え方がある〔白井さゆり(2009)「世界経済危機とグローバル・インバランス-国際経済秩序へのインプリケーションー 」慶応義塾大学総合政策学部, pp.6-8参照。〕。 そもそもアメリカの巨大な経常収支赤字自体は1980年代および1990年代前半にも存在したが、それは主に日本との貿易摩擦によるものであった。しかし、2000年以降は、それがアメリカ対アジア(特に中国)、産油国、ドイツ等の多国間の問題となっていった。 ==N-1問題== 世界にNカ国が存在するとする。このとき、独立した為替相場の目標はN-1通りしか存在せず、Nヵ国すべてが為替相場の目標を達成しようとすると非整合が発生してしまうという問題をN-1問題(英:N-1 problem)と呼ぶ〔「現代国際金融論第4版」上川孝夫・藤田誠一 編、有斐閣ブックス、2012年、p.215.〕。つまり、通貨当局がN個あるならば、独立した金融政策はN個あるにもかかわらず、独立した為替相場の数はN-1個である。例えば、N=3のとき、独立した為替相場は2組だけであり、残りの1組の為替相場は他の2組のクロス・レートとして算出される。このとき、全ての国が国際収支を黒字にしようとしたり、全ての国が為替レートを切り下げようとすると、近隣窮乏化政策となってしまう〔河合正弘(1994)「国際通貨システム:n-1問題,国際通貨,クレディビリティ- 」『金融研究』日本銀行金融研究所 第8巻第1号〕。これを解決しようとするならば、N番目の国が中心国となり、自らは為替相場の目標や国際収支の目標を持たず、(周辺国の為替相場や国際収支の目標に対して)受動的な立場にならなくてはならない。 後述のブレトン・ウッズ体制はアメリカがこのN番目の中心国になるという体制であった。このブレトン・ウッズ体制下のアメリカの中心国としての受動的な政策はビナイン・ネグレクト政策(英:benign neglect)と呼ばれる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「グローバル・インバランス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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