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ケベック遠征 : ミニ英和和英辞書
ケベック遠征[けべっくえんせい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [とお]
  1. (adj-no) distant 
遠征 : [えんせい]
  1. (n,vs) (1) expedition 2. campaign 3. (performer's) tour 4. (2) away series (baseball) 

ケベック遠征 : ウィキペディア日本語版
ケベック遠征[けべっくえんせい]

ケベック遠征英語:Quebec Expedition)は、1711年イギリスにより行われた、陸路と海路によるヌーベルフランスへの攻略遠征である。イギリスは前年の1710年アカディアポートロワイヤルを自国領としてヌーベルフランス奪取へと乗り出したが、調査も十分でないまま行われたため遠征は頓挫した。


== 遠征に至るまで ==
1710年、アン女王戦争の末期にイギリス正規軍とニューイングランド入植地兵の混成部隊が、ノバスコシアアカディア北西部)のポートロワイヤルでの戦いでフランス要塞を奪って勝利した〔Parkman, p. 149〕。この遠征指揮官であるフランシス・ニコルソンは、ロンドンにこの知らせを持ち込み、同行していたマサチューセッツ湾植民地の代表であるジェレミア・ダマーと、ヌーベルフランスの中心地であるケベックに遠征するための陳情をした〔。
イギリス政府は多少混乱していた。1710年の8月には、初代ゴドルフィン伯爵シドニー・ゴドルフィン内閣が倒れ、アン女王大蔵卿に初代オックスフォード=モーティマー伯ロバート・ハーレーを指名した。ハーレーはマールバラ公ジョン・チャーチルの政敵であり、マールバラ公もまた女王の寵愛を失った〔Parkman, p. 156〕。
ハーレーはイギリス軍の戦略を変えたいと考えていた。「ブルーウォーター」政策である。陸軍予算を削った分を、海軍の強化に回すべきであると強調していた。〔また、マールバラ公の影響が続かないよう、自らの考案でマールバラ公を抑える方法を探し求めた。最終的に、彼は陸と海からのケベック攻略を承認したが〔Parkman, p. 157〕、病気のため、この仕事の大部分は、外務大臣の初代ボリングブルック子爵ヘンリー・シンジョンによってなされた。〔

基本の部分は、1709年に予定していたアカディア攻略に合わせて、1708年にサムエル・ベッチが提案したもので、海軍の遠征に、陸軍の正規兵と、イギリス植民地の民兵の混成軍を加えて主な敵陣突破をはかるというものだった。白色艦隊の海軍中将であるサー・ホーベンデン・ウォーカーがこの遠征の指揮権を委任され、陸軍の指揮は准将ジョン・ヒルにゆだねられた。〔Hervey, p. 317〕ウォーカーは3月に提督に昇進したばかりで、アン女王戦争の初期に西インド諸島艦隊を連れて遠征したことがあるものの、はかばかしい戦果を得られず、シンジョンと友人であったこと、トーリー党に共感していたことが理由で選ばれたようなものだった。
シンジョンがウォーカーとヒルを選んだのは、アン女王に取り入る目的も恐らくはあったようだった〔Parkman, pp. 157–158〕。ヒルはアンの親友であるアビゲイル・メイシャム(メイシャム男爵夫人)の弟だった。マールバラ公爵夫人であるサラ・ジェニングスは、恐らく夫の意見の受け売りであろうが、ヒルを「軍人としてふさわしくない人物」と書いている。〔Lee, p. 396〕マールバラ公がフランドルで率いている軍から、5つの連隊が引き抜かれ、イギリスの2つの連隊と、5000人ばかりの陸軍部隊に編成された〔〔Hervey, p. 318〕。この遠征隊は、4月から5月にかけて、イギリス南部の何か所かの港から出航した〔。行き先に関しては、秘密主義が貫かれていた〔。ウォーカーも、すぐには行き先を教えられてもらえず、他の提督も同様だった〔Parkman, p. 158〕。食糧や物資に関しては、スパイを欺くために、ヨーロッパの海を回航する時ほどの分量でしかなかった〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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