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ケルベロス()は、ギリシア神話に登場する犬の怪物。ハーデースが支配する冥界の番犬である。その名は「底無し穴の霊」を意味する〔バーバラ・ウォーカー著 『神話伝承事典』より〕。ラテン語ではケルベルス()、英語読みはサーベラス。 テューポーンとエキドナの息子で、オルトロス、ヒュドラー、キマイラ、スピンクス、ネメアーの獅子〔ヘーシオドス『神統記』309〜332行。〕、不死の百頭竜(ラードーン)、プロメーテウスの肝臓を喰らう不死のワシ〔アポロードロス、2巻5・11。〕、パイア〔アポロドーロス、摘要(E)1・2。〕、金羊毛の守護竜〔ヒュギーヌス、151。〕といった怪物たちと兄弟。 == 概要 == ケルベロスは冥府の入り口を守護する番犬である。ヘーシオドスは『神統記』の中で、50の首を持ち、青銅の声で吠える恐るべき猛犬として描いているが〔ヘーシオドス『神統記』310~312行。〕、普通は「三つの頭を持つ犬」というのがケルベロスの一般像であり〔松平・92P〕、文献によって多少の差異はあるが、主に3つ首で、竜の尾と蛇のたてがみを持つ巨大な犬や獅子の姿で描かれる。 またハーデースに対して忠実で、ヘーシオドスは死者の魂が冥界にやって来る場合にはそのまま冥界へ通すが、冥界から逃げ出そうとする亡者は捕らえて貪り食うと述べている〔ヘーシオドス『神統記』769~773行。〕。これが地獄の番犬といわれる由来である。 神話におけるエピソードは多くないが、ヘーラクレースがケルベロスを捕えて地上に連れ出した話は有名である。この際にケルベロスは太陽の光に驚いて吠え、飛び散った唾液から猛毒植物であるトリカブトが発生したという話も残っている。 3つの頭が交代で眠るが、音楽を聴くと全ての頭が眠ってしまう。ギリシア神話では、竪琴の名手オルペウスが死んだ恋人エウリュディケーを追って冥界まで行く話があるが、ケルベロスはオルペウスの竪琴によって眠らされている。 また、甘いものが好きで蜂蜜と芥子(小麦とも)の粉を練って焼いた菓子を与えればそれを食べている間に目の前を通過することが出来る。アイネイアースを連れたクーマイのシビュレーや、ペルセポネーに美を分けて貰いに行ったプシューケーはこの方法でケルベロスをやり過ごした。その後この菓子はカローンへの渡し賃にもなっている。ただし、プシューケーが冥界にやってきた際、カローンに渡したのはオボロス銅貨、ケルベロスに食べさせたのは堅パン、シビュレーが食べさせたのは睡眠薬入りの酒に浸したパン(ソップ)だともいわれる。そして、後にこのことから厄介な相手を懐柔する賄賂の意で「ケルベロスにパンを与える」という言葉が生まれた〔松平・94P〕。 ダンテの『神曲』「地獄篇」では、貪食者の地獄において罪人を引き裂く姿が描かれた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ケルベロス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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