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(n) kent paper・ ケント紙 : [けんとし] (n) kent paper
画用紙(がようし、)とは、図画の支持体に用いられる厚手の洋紙である。白無地が一般的であるが、着色紙で作られた色画用紙(いろがようし、)もある。カード類やペーパークラフトなどの工作・手芸の材料にも使われる。 == 歴史 == 文献上ヨーロッパにおいて画用紙()の語が現れるのは18世紀末であるが〔Burns, et al. 1990, p. 46.(#参考文献)〕、それ以前から図画に紙は使われていた。麻ぼろなどを原料とする製紙技術が中国から西周りにヨーロッパへ伝わるのは11世紀頃であるが、それ以前から存在する羊皮紙と比べ水分との相性が良く、淡彩のような絵画技法も紙によって成立する〔荒木豊, 絵具講座(第VII講)水彩絵具 , ''J. Jpn. Soc. Colour Mater. (色材)'', 75(9), pp. 450-454, 2002.〕。画用紙を含む洋紙の製法は、イタリアのファブリアーノにおける膠サイズの発明(13世紀)、イギリスのによる均質な地合のの発明(1757年頃)、抄紙機や木材パルプ、ロジンサイズによる量産化(19世紀)、中性サイズによる中性紙化(1950年代-)といった技術的変遷を経て現代の形になる〔Karen Garlick, A Brief Review of the History of Sizing and Resizing Practices , ''Book and Paper Group Annual'', Volume 5 1986, American Institute for Conservation.〕〔Roberts & Etherington 1982.(#参考文献)〕〔小宮英俊, 紙のはなし , ''ぷりんとぴあ'', 日本印刷産業連合会, pp. 21-23, 2015年11月7日閲覧.〕が、高級品では現代も伝統的な製法がとられることがある。日本における洋紙の国産化は明治以降になるが、それ以前にも和紙が輸出されレンブラントらが版画用紙として用いていた〔Burns, et al. 1990, p. 52.(#参考文献)〕。 着色紙は15世紀頃には図画に使われており、原料ぼろの残留インディゴ色素を含んだ()と呼ばれる青い紙がヴェネツィアで製造され、ヴェネツィア派の画家や影響を受けたアルブレヒト・デューラーらがキアロスクーロ素描に用いた〔Irene Brückle, Historical Manufacture and Use of Blue Paper , ''Book and Paper Group Annual'', Volume 12 1993, American Institute for Conservation.〕。青の他にも夾雑物により黄色や灰色がかった紙が存在し、これらはパステル画家やターナーのような水彩画家に使われている〔Joan Irving, Construction Paper: A Brief History of Impermanence , ''Book and Paper Group Annual'', Volume 16 1997, American Institute for Conservation.〕。現代の華やかな色画用紙に近いものが作られるのは、合成染料が発明される19世紀以後であり、折しもフリードリヒ・フレーベルによって提唱された幼稚園創設の世界的波及を契機に、そこで使われる教材(恩物とその発展形)として安価な機械パルプ製の学童用色画用紙が作られるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「画用紙」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Construction paper 」があります。 スポンサード リンク
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