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ゲルファント・ナイマルク・シーガル表現 : ミニ英和和英辞書
ゲルファント・ナイマルク・シーガル表現[げん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
: [ひょう]
  1. (n,n-suf) table (e.g., Tab 1) 2. chart 3. list 
表現 : [ひょうげん]
  1. (n,vs) (1) expression 2. presentation 3. (2) (gen) (math) representation 
: [げん]
  1. (pref) present 2. current

ゲルファント・ナイマルク・シーガル表現 ( リダイレクト:GNS表現 ) : ウィキペディア日本語版
GNS表現[-ひょうげん]
作用素代数数理物理学において、GNS表現(-ひょうげん、)、またはGelfand-Naimark-Segal表現とは、C
*-代数
に対し、状態と呼ばれる正値線形汎関数が与えられたときに、ヒルベルト空間上の有界作用素による表現を構成する手法〔H. Araki (2009), chapter.2〕〔O. Bratteli and D. W. Robinson (2002), chapter.2〕。GNSの名は、1940年代にGNS表現を導入した三人の数学者ゲルファント(Gelfand)、(Naimark)、(Segal)〔I. M. Gelfand and M. A. Naimark "On the imbedding of normed rings into the ring of operators on a Hilbert space," ''Mat. Sborn.'', ''N. S.'' 12, pp.197–217 (1943). 〕〔 I. E. Segal, "Irreducible representations of operator algebras," ''Bull. Am. Math. Soc.'' 53, pp.73–88 (1947) 〕の頭文字に由来する。GNS表現では、巡回ベクトルと呼ばれる特別な元に有界作用素による表現を作用させることで、表現空間であるヒルベルト空間自体を生成することができるともに、状態に対する作用素の値は、巡回ベクトルとの内積による期待値として与えられる。このことから、作用素代数に基づく場の量子論量子統計力学の代数的なアプローチでは、物理量である作用素のなす代数から理論を構築しても、GNS表現を用いることで、通常のヒルベルト空間論に基づく理論との対応づけが可能となる。
== 内容 ==
C
*-代数\mathfrakにおいて、\varphi :\mathfrak \rightarrow \mathbb状態(state)〔状態という語は、量子力学また量子統計力学において、作用素として与えられる物理量に対し、状態により期待値が与えられることに由来する。〕、すなわち、以下の性質を満たす、\mathfrakから複素数体\mathbbへの規格化された正値線形汎関数とする。
(1) 線形性 \varphi(\lambda A+ \mu B)=\lambda \varphi(A) +\mu \varphi(B)
\quad ^\forall A, B \in \mathfrak, \, ^\forall \lambda, \mu \in \mathbb
(2) 正値性 \varphi(A^A) \geq 0 \quad ^\forall A \in \mathfrak
(3) 規格化条件〔規格化条件は、\mathfrak単位元I_を持つなら、 \varphi(I_)=1 と等価である。〕 ||\varphi||=\sup \=1
このとき、\mathfrakのヒルベルト空間\mathcal_上の表現、すなわち、\mathfrakから\mathcal_の有界作用素のなす代数\mathcal(\mathcal_)への
*-準同型写像〔準同型写像\pi\pi(A^)=\pi(A)^を満たす時、
*-準同型写像と呼ばれる。〕 \pi_\varphi:\mathfrak \rightarrow \mathcal(\mathcal_)で、次の条件を満たすものを構成することができる。この表現をGNS表現と呼ぶ。
1. ある元\Omega_\varphi \in \mathcal_が存在し、
:
\varphi(A)=\lang \Omega_\varphi,\pi_\varphi(A) \Omega_\varphi \rang
\quad ^\forall A \in \mathfrak

を満たす。但し、\lang \, , \, \rang\mathcal_上の内積である。
2. \Omega_\varphi巡回ベクトル(cyclic vector)をなす。すなわち、
:
\pi_\varphi(\mathfrak)\Omega_\varphi =\

はノルムによる強位相について、\mathcal_稠密である。
なお、1.のように内積の形式で与えられる状態をベクトル状態といい、2.のように巡回ベクトルをもつ表現を巡回表現という。
GNS表現により、状態\varphiから導入される組(\mathcal_,\pi_\varphi,\Omega_\varphi)GNS構成と呼ぶ。GNS構成はユニタリ同値除いて、一意的である。したがって、(\mathcal_,\pi_\varphi,\Omega_\varphi)(\mathcal'_,\pi'_\varphi,\Omega'_\varphi)がともにGNS構成であるとき、ユニタリ作用素 U: \mathcal_\rightarrow \mathcal'_が存在し、
:
\pi_(A) U = U \pi'_(A) \quad ^\forall A \in \mathfrak

が成り立つ。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「GNS表現」の詳細全文を読む




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