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コチャバンバ水紛争(こちゃばんばみずふんそう)は、ボリビアのコチャバンバで2000年1月から4月にかけて発生した一連の抗議行動。 == 概要 == コチャバンバでは、1967年より水道事業を担っていた SEMAPA(市営上下水道サービス公社)が世界銀行の主導によって民営化された。世界銀行のボリビアに関する1999年6月の報告では、上水道の使用料金を低く抑えておくための公的補助金を中止することが求められていた。 1999年9月、米国籍会社のベクテルが子会社International Waterを介して55%を保有するAguas del Tunari, S.A.(AdT)はボリビア政府水道局との間で上下水道事業に関するコンセッション契約を締結した〔投資仲裁の対象となる投資家/ 投資財産の範囲とその決定要因 独立行政法人経済産業研究所 伊藤一頼〕〔PRSP 策定過程での「国民参加(対話)」の挑戦とその課題 JICA吉田充夫〕。 途上国における公的セクターによる水道事業は政治的な圧力により意図的に水道料金を低めに設定して赤字垂れ流しが黙認されてきたが、漏水率削減等のサービスおよび供給能力の向上には供給コストをカバーできることが必要不可欠であり、その第一歩として料金引き上げが必要となる〔途上国の開発事業における官民パートナーシップ(Public-Private Partnership)導入支援に関する基礎研究第2章開発における官民の役割の変遷 JICA国際協力総合研修所〕。 このため、AdTは料金値上げを行い、その結果,コチャバンバ市における水道料金負担は労働者最低賃金(60ドル/月)の約1/4になり〔、値上げの住民への事前説明が不十分だったために住民暴動が起きた〔。 さらに、AdTが新たな井戸掘削を計画したことが周辺農民の不安を駆り立て、大衆運動がコチャバンバから全国的なゼネストや暴動に拡大した〔。 1月の中旬、新しくできた労働者同盟、人権問題指導者たちの先導で4日間連続のストライキが発生し、コチャバンバの町は活動を停止した。政府は水の価格を元に戻して2週間以内に収拾を図ることを約束せざるを得なかった。これにより、抗議行動はひとまず収まった。 3月に6万人以上の住民に調査を行ったところ、90% の人が「AdTは撤退して水供給は公社に戻すべきである」と答えた。民営化反対論者たちはブエノスアイレスの上水道民営化の例を引き合いに出し、その時は7,500人もの労働者が解雇された上に水道料が上がったとして、上水道施設の民営化がなぜ良くないのかを主張した。 4月4日には再びコチャバンバは機能停止に陥った。IWL社は、コカ絶滅作戦に反対するコカ生産農家たちの煽動により暴動が悪化していると主張した。 デモが4日目に入った時、ボリビア政府は戒厳令を発令した。警察は反乱指導者たちを深夜急襲して逮捕し、地元ラジオ局を閉鎖。武装兵士が町を監視した。 4月10日、水道会社の民営化撤回を迫るため、数千の人々がコチャバンバでデモ行進を計画した。しかし、ウゴ・バンセル・スアレス大統領は武力でこれを鎮圧しようとした。バンセルはかつて1970年代に独裁政治を行なった事がある大統領である。彼は警察に指示して2日間に渡りデモ隊に催涙ガスを浴びせ続け、6人の死者と175人の負傷者を出した。この負傷者の中には失明した2人の子供も含まれる。 この騒乱はラパスにも飛び火し、チチカカ湖周辺の住民も道路封鎖などの抗議行動を起こす。4月8日にはボリビア軍により17歳の少年が顔面を撃たれて死亡。逆に農民がボリビア軍大尉を撲殺するという事件も起こる。 ラパスやサンタ・クルスなどの大都市では、警官や消防士などの中に反対運動に賛同するものが現れ始める。また、ボリビア中央労働者連盟(''Central Obrera Boliviana'' : COB)の呼びかけに応じて教職員組合が無期限ストライキを始めた。 4月12日にAdTは事業撤退を表明。ボリビア政府も最終的に抗議者たちの主張を全て受け入れることを表明した。世界銀行は援助停止の形で圧力をかけた。 その後、ベクテル社は違約金・賠償金としてボリビア政府に対して2500万ドルを要求、支払わせた。ボリビア市民の代表は 「この2500万ドルがあれば、2万5000人の教師を雇用し、貧しい子供に教育を受けさせ、12万世帯に水道を敷き、雨水でない衛生的な安全な水を提供することができた」と語っている。〔秋田大学 水紛争について 〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コチャバンバ水紛争」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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