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コンピュータ断層撮影(コンピュータだんそうさつえい、英語 Computed Tomography、略称:CT)は、放射線などを利用して物体を走査しコンピュータを用いて処理することで、物体の内部画像を構成する技術、あるいはそれを行うための機器。 「断層撮影」の名前のとおり、本来は物体の(輪切りなどの)断面画像を得る技術であるが、これらの検査技術は単に断面画像として用いられるのみでなく、画像処理技術向上によって3次元グラフィックスとして表示されることも多くなってきている。 広義の「CT」はポジトロン断層法(PET)や単一光子放射断層撮影(SPECT)等を含むが、一般的に「CT」と言った場合、ほぼ常に最初に実用化されたX線を利用したCTのことを指すようになっている。本項ではそのX線CT検査について記述する。 == 歴史 == コンピュータ誕生以前の断層撮影方式では、1930年代にイタリアの放射線科医師のによってトモグラフィーの原理が発明された。これはX線撮影フィルムに体を輪切り状に投影するものであった。 1953年には、弘前大学の高橋信次が「エックス線回転横断撮影装置」を開発した〔 - 産業技術史資料情報センター(国立科学博物館)〕。これは、コンピュータを用いないアナログな機械的装置によって断層を撮影するものであった。 最初の商業的なCTは、Thorn EMI中央研究所で英国人のゴッドフリー・ハウンズフィールドによって発明された。これは、コンピュータによる装置の制御や画像処理を行うことができるもので、1967年に考案、1972年に発表した。ハウンズフィールドの研究はマサチューセッツ州のタフス大学のアラン・コーマックの理論を基にしており、彼らは1979年のノーベル医学生理学賞を受賞した。 1971年に作成された原型は、1°刻みで160の並列読み出し走査を行っており、180°にわたって走査するのに5分以上かかっていた。画像は走査後、大型計算機で2.5時間かけてラドン変換及びその逆変換を繰り返すによって得られた。 最初に生産されたX線CT(EMIスキャナーと呼ばれた)は脳の断層撮影に用いられた。2つの断層データを得るのに約4分かかった。そして、断層画像を得るのにデータゼネラル社のミニコンピュータを使用して画像一枚あたり約7分かかった。 なお、EMI社に所属していたビートルズの記録的なレコードの売上が、CTスキャナーを含めたEMI社の科学研究資金の供給元だったとも考えられるため、CTスキャナーは「ビートルズによる最も偉大な遺産」とも言われている。 日本におけるCTの導入は、EMIとレコード事業(東芝EMI)で提携関係のあった東芝が1975年8月に輸入し、東京女子医科大学病院に設置されて脳腫瘍を捉えたのがはじまりである。ただし、このスキャナはニクソンショックによる変動為替相場制導入後でも1億円(現在の概算で10億円単位)を下らない費用を要する代物で、日本政府側の自賠責保険の運用益から交通事故時の頭部外傷に役立てるような研究的意味合いで資金拠出されることになった。 その後東芝メディカルにより国内生産が開始され、一方日立製作所で、自社開発による初の国産機を1975年10月に藤田学園保健衛生大学に設置している。 その後、1986年にヘリカルCT(ヘリカルスキャン)が開発され、1998年には4列MDCTが登場してきた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コンピュータ断層撮影」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 X-ray computed tomography 」があります。 スポンサード リンク
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