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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana) ・ 列 : [れつ] 【名詞】 1. queue 2. line 3. row
解析学におけるコーシー列(コーシーれつ、Cauchy sequence)は、数列などの列で、十分先のほうで殆ど値が変化しなくなるものをいう。基本列(きほんれつ、fundamental sequence)、正則列(せいそくれつ、regular sequence)〔グレン・ジェームズ監修 『数学辞典』 一松信・伊藤雄二監訳、朝倉書店、1993年、147頁〕、自己漸近列(じこぜんきんれつ)〔絹川正吉 『大学理工系 解析要論』 理工学社、1979年、122頁〕などとも呼ばれる。実数論において最も基本となる重要な概念の一つである。 == コーシー数列 == 無限数列 (''x''''n'') について : が成立するとき、数列 (''x''''n'') はコーシー的である、コーシー性を持つ、あるいはコーシ-列であるという。有限数列 (''x''1, ''x''2, ..., ''x''''k'') は ''x''''k'' = ''x''''k''+1 = ''x''''k''+2 = … と延長することにより、コーシー列と見なせる。 数列がコーシー的ならば、開区間 (''a'', ''b'') で、数列 (''x''''n'') の中の無限個の項を含むようなものが取れる。このような開区間は一つではなくいくらでも見つけることができて、しかもその径 |''b'' − ''a''| はいくらでも小さくとることができる。 さらに、そのような開区間を、コーシー列の最初の有限項以外の項を全て含むようにとることができる。 同様の性質を座標平面 R2 や座標空間 R3 などの ''k'' 次元座標空間 R''k'' あるいはそれと同等の ''k''次元ユークリッド空間 ''E''''k'' で考えることができる。形式上は上記の極限と同じことで、点列 (''x''''n'') が : を満たすことを、数列の場合と同じく点列がコーシー的であるなどという。これは、座標の各成分が全てコーシー数列を成すことと等価である。また、やはり数列の場合と同様に、R''k'' における点列 (''x''''n'') がコーシー性を持つならば、十分おおきな番号 ''n'' に対応する点 ''x''''n'' は例外なく全て、ある非常に小さな直径を持つ ''k'' 次元球体に含まれる。複素数全体の集合 C を座標平面 R2 と同一視してガウス平面と考えれば、複素数列は平面上の点の列であり、複素空間 C''k'' 内のコーシー列も同様に考えることができる。 一般に、任意の収束列はコーシー列であるが、その一方で、コーシー列は必ずしも収束しない。 例えば、ガウス記号 を用いて作った数列 〔本質的には、小数展開を有限桁で区切って作った数列を考えているのと同じ。なんとなれば、''n'' が 10 の冪であるときだけみればよい。〕は、有理数の列(Q 内の点列)と見ることも、実数の列(R 内の点列)と見ることもできて、いずれの見方によってもコーシー数列となっているものであるが、R 内の点列と見れば √2 に収束する収束列であるのに対して、√2 は有理数ではないから有理数全体の集合 Q 内で収束することはない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コーシー列」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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