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ゴム引布製起伏堰(ゴムひきぬのせいきふくぜき)は、ゴム引布製のチューブに空気や水を注入・排出することで起伏させる堰。ゴム堰、ラバーダム、バルーンダム、ファブリダム®(住友電気工業の登録商標)ともいう。 == 概要 == 水をせき止める目的で川に建設される堰のうち、水門(ゲート)などの可動部分を持つものを可動堰といい、持たないものを固定堰という〔『土木用語大事典』680ページ。〕。可動堰のうち、上下動するゲートを持つものに対し、起伏するゲートを持つものを起伏堰という〔『土木用語大事典』250ページ。〕〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』373ページ。〕。起伏堰(転倒堰)は、ゲートを起こした(起立という)状態で水をせき止めておき、洪水などで増水した際に倒して(倒伏という)放流する〔『土木用語大事典』431ページ。〕〔『川の百科事典』500ページ。〕〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』403ページ。〕。起伏堰のうち、鋼鉄製のゲートを用いるものに対し、筒の形をしたゴム引布製の袋を用いるものがゴム引布製起伏堰である〔『川の百科事典』275ページ。〕。アメリカ合衆国・のノーマン・インバードソン(''Norman Imbertson'')が1956年に考案したもので、日本では1965年に導入を開始し、1993年には2,400もの施工例を数えるまでになった〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』402ページ。〕。設置の目的としては灌漑、高潮に対する防潮堤、レクリエーションなどが挙げられる〔。 ゴム引布製起伏堰の実体とも言えるゴム引布製のチューブは、専門的には袋体といい、その断面は円形をしている〔。これに空気や水を送り込んだり、排出したりすることで起伏させる〔。操作に必要な機械はブロワーやポンプといったものだけで済み、倒伏動作に限っては動力をまったく必要としない〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』402 - 403ページ。〕。設置やメンテナンスに必要な手間やコストが安いのが特長である〔。 チューブの寿命は素材の耐久性や実際の運用実績からみて、少なくとも30年間以上といわれる〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』404ページ。〕。川を流れる砂程度なら摩耗は少ないが、大きめの石などに対してはゴムを厚くしたり、素材を特殊な配合のゴムとしたり、クッションを配置するなどの工夫で対処する必要がある〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』403 - 404ページ。〕。 懸念される点は倒伏させる過程でVノッチ現象が発生することである〔。倒伏させる過程でチューブの高さが均一でなくなり、ある1点だけがアルファベットのVの字形につぶれた状態となってしまう〔。すると放流水が一局集中し、放流量が過大なのもとなるため、護岸および護床の検討を行う際はこれを考慮する必要がある〔。これは空気で起伏するもの特有の問題である〔。 ゴム引布製起伏堰と鋼製起伏堰とを折衷したもの〔がゴム袋体支持式鋼製起伏堰であり、SR合成起伏堰、略してSR堰、あるいはハイブリッド起伏堰ともいう。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ゴム引布製起伏堰」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Inflatable rubber dam 」があります。 スポンサード リンク
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