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製紙用薬品(せいしようやくひん、)とは、製紙工業の製造過程において、効率を高めたり、不良を減らしたり、環境への影響を減らしたりし、また、製品の紙に強度、光沢、白さ、色、印刷のしやすさ、風合い、耐水性、難燃性、機能性などの特性や付加価値を与える目的で使用される工業薬品類の総称である。 == 概要 == 紙は紀元前2世紀までに前漢で発明されて以来、植物繊維に含まれるセルロースを水中に分散させ、それが脱水、乾燥される工程で水素結合によって紙力を発現するという基本原理に基づいて製造されている。紙の基本機能である「3W」(write:書く、wrap:包む、wipe:拭う)の効果を高めたり、それ以外の特殊な機能を与えて、価値を高める工夫は時代とともに続けられ、改良された技術が継承されてきた〔尾鍋史彦、「製紙薬品の最新動向と諸問題」『月刊ファインケミカル』2004年3月号、pp5-12、2004年、東京、シーエムシー出版〕。 紙の製法が8世紀にイスラム世界に伝わると、小麦粉デンプンを加えてにじみを抑えるサイズ剤とすることが行われた。1851年には水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を用いて化学パルプを製造する方法が考案され、その後硫酸アルミニウムをパルプに加えて紙の水切れや歩留まりを良くして、効率的に抄紙する洋紙(酸性紙)製造技術が生まれた。また、松やにを精製して作るロジンを原料としたサイズ剤を硫酸アルミニウムで定着させる方法も広く使われた。しかし、1970年ごろから、このような酸性紙は残留する硫酸イオンによって50年を超えるような長期保存ができないことが問題となり、硫酸アルミニウムを使わず、石油を原料とした中性サイズ剤を使って製紙する方法が普及した。 また、同じく1970年代ごろから公害防止のために、排水中のBOD、COD、微細固形物を削減する取り組みが進められ、ポリアクリルアミドを歩留まり剤や凝集剤として使うことが広がった。用水を繰り返し使うことによって抄紙系内にアニオントラッシュと呼ばれる陰イオンの不純物が増え、また、森林資源保護の観点から古紙の利用率が上がることによって、古紙中に含まれる炭酸カルシウムや、付着した接着剤、粘着剤などに由来する樹脂性の異物が増え、これらによって発生する製造不良を抑制する薬品が開発された。 しかし、さまざまな製紙用薬品の併用は、十分にその効果を生かし、発泡、硫酸カルシウムによるスケール付着などの障害が出ないように添加量、順序、場所を考えながら非常に微妙な配合バランスを調整しながら行わねばならず、抄紙系内の電気伝導率、ゼータ電位、パルプ繊維の濾水性などを測定しながら使用することが必要となっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「製紙用薬品」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Paper chemicals 」があります。 スポンサード リンク
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