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エチゾラム()は、チエノジアゼピン系に属する抗不安薬であり、ベンゾジアゼピン系と同様の作用を持つ。睡眠導入剤としての適応も持つ。エチゾラムは多くの後発医薬品が存在する。日本国内の先発品における商品名はデパス。日本国外では、Depas、Sedekopan等の商品名で販売される。乱用はあるが、用いられている国が少ないため国際条約である向精神薬に関する条約による指定はない〔。他のベンゾジアゼピンを含めても、日本の乱用症例において3位がエチゾラムである〔。日本の麻薬及び向精神薬取締法における向精神薬に指定し、規制管理が必要だと主張されている〔。長期間用いた場合には、他のベンゾジアゼピン同様に離脱症状に注意が必要である。 エチゾラムを10倍量誤投与し、植物状態となった事例は、日本薬剤師会〔、日本病院薬剤師会〔、厚生労働省による事故防止の検討会〔でもとりあげられており、事故防止に重要である。 == 作用機序 == 分類上、ベンゾジアゼピン系抗不安薬とよく似た化学構造と作用機序を有するため、チエノジアゼピン系の薬剤は上記の薬剤郡内に分類される。薬効、薬理についても、シナプス後細胞側に存在するGABAA受容体に結合することによりCl-イオンを透過させやすくし、神経細胞の膜電位を負の方向に過分極(活動電位の閾値に到達させる方向とは逆方向)させることで神経細胞全体としては興奮が起こりにくくなり、脳神経活動全体に対して抑制的に働く。 ファイル:Triazolam structure.svg|トリアゾラム(ハルシオン)は、ベンゾジアゼピン誘導体である。 ファイル:Etizolam.svg|エチゾラム(デパス)は、チエノジアゼピン誘導体である。 GABAA受容体は3種類のサブユニットα、β、γが複数ずつ組み合わされて構成されたイオンチャネル共役型受容体であり、そのたんぱく質のモチーフは4回膜貫通型の膜たんぱく質型に分類される。そしてGABAA受容体の存在する組織の部位によってサブユニット構成が異なることが知られている。GABAがGABAA受容体に結合することでCl-イオンチャンネルが開くが、ベンゾジアゼピン結合部位はGABA結合部位とは異なりアロステリック的にGABAの作用を増強するように働く。また、ベンゾジアゼピン類はγサブユニットと関係が深いことが研究により判明している。 GABAA受容体は小脳などを含めた広く脳全体に分布しているが、特にベンゾジアゼピン類に感受性を持つGABAA受容体が多いのは視床下部および大脳辺縁系、特に扁桃核である。これらの部位においてチエノジアゼピン系抗不安薬もGABA作用を増強し神経伝達に対して抑制作用を示すことで、不安・緊張などの情動異常を改善する。それ故、中枢神経の他の部位が関与する機能、例えば高次脳機能等に対しては抑制作用が少ない。また、ベンゾジアゼピン系抗不安薬と同様に、睡眠導入および筋弛緩作用も併せ持つ。そして、大量では呼吸抑制を引き起こす。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エチゾラム」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Etizolam 」があります。 スポンサード リンク
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