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サバルタン(、)は、ポストコロニアル理論などの分野において用いられる、ヘゲモニーを握る権力構造から社会的、政治的、地理的に疎外された人々をさす術語。日本語では「従属的社会集団」などと訳されることがある。 == 歴史 == この術語は、イタリアのマルクス主義思想家であったアントニオ・グラムシの業績に由来し〔、南アジア史における非エリート階層の役割に注目した南アジア史研究者たちのグループ、サバルタン・スタディーズ・グループ(Subaltern Studies Group)の業績を通してポストコロニアル理論に導入されたものである。 1970年代には、この術語は植民地統治下に置かれた南アジア亜大陸(インド亜大陸)の民衆を指す用語として使用され始めた。この概念によって、植民地化された場所の歴史記述を、植民地支配をする側の視点からではなく、植民地支配される側の視点から捉えるという新たな観点がもたらされた。マルクス主義の歴史家たちは、既にもっぱらプロレタリアートの観点から植民地の歴史を検討し始めていたが、それでも依然としてヨーロッパ中心主義的な世界観という面があり、理論的に十分ではないと見なされた。1980年代に、「サバルタン・スタディーズ」は、「南アジア史学への介入」として始まった。「サバルタン」はインド亜大陸の状況に適合するモデルとして生み出されたが、すぐに「活発なポストコロニアル批評」が様々な方向に展開されるようになった。 今日では、歴史学、人類学、社会学、人文地理学、文学において、常用される術語となっている。 日本では、1998年に(竹中千春 訳)『サバルタンの歴史:インド史の脱構築』とガヤトリ・C・スピヴァク(上村忠男 訳)『サバルタンは語ることができるか』が翻訳出版された。 1999年に『現代思想』が7月号で特集「スピヴァク-サバルタンとは誰か」が組まれた。2001年に崎山政毅の『サバルタンと歴史』が刊行された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「サバルタン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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