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サムゲタン(参鶏湯)とは韓国料理の一つで、鶏肉と高麗人参、鹿茸、ファンギ(キバナオウギ)などの漢方ともち米、くるみ、松の実、ニンニクなどを入れて煮込んだ料理である。薬膳料理や補身料理(ポシン料理・滋養食)ともされている。 == 概要 == 鶏肉に高麗人参、もち米などを入れて煮込んだスープである。熱いスープ料理であるが夏の料理として提供する専門店が多い。朝鮮において、日本の土用の丑の日におけるウナギのように「三伏の日に食べると健康に良い」とされ、夏バテ時の疲労回復としてよく食べられている。夏の間だけ提供する食堂が多いが、専門店では一年中食べることができる。ただし朝鮮風の、高麗人参が入っているものは、風邪などで熱がある時に食するのは動悸を誘発するため禁忌である。 丸鶏を水炊きして塩などで食べるペクスク(白熟、漢方入り鶏煮込み)と、もち米で作る粥がひとつになってできたタックク(鶏肉のスープ)がサムゲタンの原型とされているが、このうちタッククが朝鮮で初めて文献に登場するのが、1917年に朝鮮料理研究家の方信榮が著した『萬家必備・朝鮮料理製法』(京城・新文館発行)であり、ペクスクが初めて登場するのは1924年に李用基が著した『朝鮮無双新式料理製法』(京城・永昌書館発行)である。1920年代当時朝鮮総督府は鶏卵生産のため、朝鮮全土の農村に副業として養鶏を始めるよう奨励しており、これがタッククなど参鶏湯の前身となる鶏肉料理の誕生に寄与したと考えられている。 やがて粉末で入れていた高麗人参が丸のままとなり、1955年ごろ鷄蔘湯(ケサムタン)と呼ばれるようになったが、その後1960年代に入り、高麗人参の効能を強調するために蔘鷄湯(サムゲタン)とされた〔「朱英河の飲食100年(7) 『補養』の象徴蔘鶏湯」 京郷新聞2011年4月19日 〕。ペクスクは参鶏湯と似た料理であるが、鶏肉をスープから出して皿に乗せて供することや、肉を食べた後にスープで炊いた粥が出てくることなどが異なる。台湾の麻油鶏などの他の薬膳と混同しているケースも見られる。 ただし昭和5年(1930) 『日本地理風俗大系・十六巻』(新光社)の202頁に 「夏の三か月間、人参と糯米の少しばかりを雌鶏の腹腔中にうずめて、その姿のまま煎じ出した液を鶏参湯(けいじんとう)と称し、一碗ずつ飲用すれば、滋強に効あり万病に冒されずとなし、富者はこれを摂用する。」とあり、「鶏参湯」の名称は戦前にさかのぼる。 昭和10年『伸びゆく京城電気』によると、「真の朝鮮料理は貴族・上流階級の占有であって、平生、京城っ子の口に入らぬ」とあるように、特権階級の習慣は一般に知られていなかったため、文献資料に乏しい可能性が高い。また、『日本地理風俗大系』の記述による限り、現在のように「食べる」ものではなく、煮込み続けているものを数日にわたって少しずつ薬用スープとして飲むものであったと思われる。 参鶏湯は材料さえ入手できれば家庭でも作ることはできる。朝鮮内ではサムゲタン用に若鶏を処理したものが販売されており、冷凍ものを扱う朝鮮食材店もある。また調理されてパックされたレトルトパックも販売されている。専門店では、烏骨鶏の肉を用いたオゴルゲタン(烏骨鷄湯、)や漆の木と一緒に煮込んだオッケタン(漆鶏湯、)を出すところがあるが、通常のものより高級品とされ、値段が高い。また、参鶏湯にスッポン、アワビ、鯉などを加えたものをヨンボンタン(龍鳳湯、)、参鶏湯の鶏を半分にしたものをパンゲタン(半鶏湯、)と呼ぶ。 参鶏湯は鶏一羽を丸ごと入れて作る事もあり、高カロリーの食品である(レトルトで一人前とされている800g入りで720kカロリー。大象ジャパンが輸入している製品の場合)。日本では一般的な存在ではないが調味料メーカーからサムゲタンの素が発売されており、食べることが出来る。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「サムゲタン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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