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三葉虫
(n) trilobite ===========================
三葉虫(さんようちゅう、Trilobite、トリロバイト)は、カンブリア紀に現れて古生代の終期(ペルム紀)に絶滅した節足動物である。古生代を代表する無脊椎動物であり、化石としても多産し、示準化石としても重視される。 == 形態 == 三葉虫は古生代にのみ生息した節足動物である。多数の体節を持ち、各体節に一対の付属肢が備わっていたと考えられている。''甲羅''(背板)の特徴は、縦割りに中央部の中葉(axis)とそれを左右対となって挟む側葉(pleura(e))となっており、この縦割り三区分が三・葉・虫の名称の由来となっている。また、頭部(cephalon)、胸部(thorax)、尾部(pygidium)といった横割りの体区分も認められる。頭部と尾部は一枚の"甲羅"(背板)であり(ただし、脱皮時には頭部は最大5つのパーツに分割される)、胸部は2-60超の''甲羅''(背板:特に胸節(thoracic segment)と呼ぶ)で構成されている。 中葉はアーチ状に盛り上がり、側葉の内側は平坦である。より派生的なグループでは側葉の外側が腹側(生物体の下側)へと傾斜する傾向を持つ。このため、生物体が腹側へと丸まった時に胸節側葉部の外側域が重なり合い、''甲羅''(背板)でほぼ球状に生体部を覆うこととなる防御姿勢(enrollment)の構築が可能となる。誤解が多いので述べておくが、球状にならなくても防御姿勢というので注意を要する。頭部には、通常複眼が左右に1対あるが、頭部に対する相対的なサイズは様々であり、盲目化した種もさまざまな系統で知られている。口は頭部中葉域の腹側にあり、より腹側にある石灰質のハイポストーマ(hypostome)で覆われた状態であったと考えられている。そのため、開口部は体の後方を向いていたと考えられている。頭部などの体区分の体節数や付属肢対の数については、一時期他の節足動物類との類縁性の検討のために5体節(単肢型の触角を含めて5対の付属肢)として一般化されることもあったが、実際は4対のものや、また頭部とハイポストーマの被覆領域の比からさらに少ないケースなども予想され、現在では頭部の体節数について言及されることは少ない。また、頭部・胸部・尾部の付属肢間で形態的差異はほとんどない。現在の節足動物甲殻類のカニやエビなど、さらに陸生の昆虫やムカデなどに認められるいわゆる口器とされる特殊化した付属肢は存在しない。 触角以外の付属肢は基本的に二肢型であり、主に歩行に用いたであろう内肢と、その基部の肢節(注:甲殻類の肢節(coxa)ではない)より生物体の外側へと分岐し櫛歯状の部位を有する外肢で構成される。また、それぞれを歩脚/鰓脚として機能的観点からの呼称を用いるケースが多いが、これは形状のみに立脚する研究を行う古生物学にとって多くの混乱を産み出す要因となっているとのコメントもある。目のレンズは全身の外骨格と同じ方解石(カルサイト)という鉱物でできており、多数の個眼を持ち、その数は数百に及ぶ。ほとんどの種では正面と両側面の視覚が優れていたことが明らかにされている〔リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 77ページ〕。 基本的には、海底を這ったり、泳いだりして生活していたものと想像されている。一部に、泥に潜っていたとか、浮遊性であったと推測されているものもある。多くは腐食生活者であるが、一部の種は捕食者である。例えば、オレノイデス(''Olenoides'')〔リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 78ページ〕。成長は、硬い外骨格は成長につれて伸びることができないので、古い殻を脱ぎ捨て新しい殻に変える脱皮によって行われ、脱皮ごとに細部の構造が変わっていった〔リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 79ページ〕。 現在、発見されている三葉虫の化石のうちで最も大きいものは全長60cmもあり、小さいものは1cmに満たない。また、幼生の化石も発見されており、最も小さな子供は直径0.2mmほどであるという。幼生は胸部の体節が少なく、成長につれて体節を増やしたことが考えられる。また、ノープリウスに近い形の浮遊性の幼生らしいものも発見されている。 また、三葉虫の足跡の化石はクルジアナ(Cruziana)と言われている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「三葉虫」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Trilobite 」があります。
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