翻訳と辞書 |
サヴォイ・オペラ
サヴォイ・オペラ(Savoy Operas)とは、19世紀後期のヴィクトリア朝イングランドで発展したコミック・オペラ(Comic opera)の1形式を指す。オペラ台本作家のW・S・ギルバートと作曲家のアーサー・サリヴァンとの、「ギルバートとサリヴァン組」(Gilbert and Sullivan)(以下G&Sと表記)が、その元祖で、最も成功した。「サヴォイ」という名前はサヴォイ劇場(Savoy Theatre)に由来する。興業主リチャード・ドイリー・カート(Richard D'Oyly Carte)がG&Sの作品を上演するために建てた劇場で、後には他の作曲家=台本作家チームの作品も上演された。しかし、G&Sオペラ以外の作品のほとんどはレパートリーになるに至らず、「サヴォイ・オペラ」という言葉はほぼ「ギルバートとサリヴァン」と同義語になってしまった。とはいえ、いずれの意味でも「サヴォイ・オペラ」は現代のミュージカルの誕生に大きな影響を与えたものの1つであることに変わりない。 ==コミック・オペラとオペレッタ== ギルバート、サリヴァン、カート、それにヴィクトリア朝のイギリスの台本作家・作曲家・興業師たち(German Reed Entertainment, Frederic Clay、, Francis Burnand を参照)、さらに新聞、文壇は、ヨーロッパ大陸のオペレッタと差別化し、いずれはオペレッタに変わってそう呼ばれることを願って、この種のオペラを「コミック・オペラ」と呼んだ。この時代以降、G&Sについて書かれた出版物の多くは、こうしたオペラを「コミック・オペラ」か「サヴォイ・オペラ」、あるいは両方の名前で呼んでいる〔See Crowther, Stedman, Bailey, Bradley, Ainger, and Jacobs〕。しかし、『Penguin Opera Guides』など多くの音楽辞書・辞典はギルバートとサリヴァンの作品を「オペレッタ」に分類している〔Amanda Holden編の2冊の本『The New Penguin Opera Guide』(Penguin Books、ロンドン、2001年)と『The Penguin Concise Guide to Opera』(Penguin Books、ロンドン、2005年)には次のように書かれている。「"オペレッタ"こそ、ウィリアム・シュウェンク・ギルバートとサリヴァンがリチャード・ドイリー・カートの指導下で共作した作品(1875年 - 1896年)の形式を指す国際的に認知された言葉であるが、彼ら自身は"コミック・オペラ"という言葉を使っていた」。〕〔See also the ''Oxford Dictionary of Opera'', ed. John Warrack and Ewan West, Oxford University Press 1992 and the ''The New Grove Dictionary of Opera'', 4 vols, ed. Stanley Sadie, Macmillan, New York 1992〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「サヴォイ・オペラ」の詳細全文を読む
スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース |
Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.
|
|