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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
サーブ・99はスウェーデンの航空機メーカー・サーブの自動車部門(現サーブ・オートモービル)が1968年から1984年まで製造、販売していた中型乗用車。航空機の設計思想を取り入れた個性的なデザイン、高度な耐寒性・安全性で1970年代のサーブの堅実な成長を支え、対米輸出(特に東海岸)においても成功を収めた。また、ターボチャージャーを実用車に採用した先駆的存在でもある。 == 概要 == 開発は96までのサーブ各車を手がけたシクステン・セゾンの手によって1965年にスタート、翌々年の1967年11月に生産型が正式発表され、翌1968年秋に市販開始された。当初は2ドアセダンのみ。 99の開発は秘密裡に行われ、1966年に後述の新しいパワートレインのテスト用として、96のボディを縦方向に切断し20cm全幅を広げた最初のプロトタイプである(英語ではトードとも表記)が製作されたが、程なく後の99となる新しいボディの設計が終わった為、パダンでのテストはごく短期間で終了した。99の直接の母体となった新ボディも、公道テストの際のジャーナリストの取材を欺く目的で、既存のサーブ車のエンブレム(オーナメント)の文字を集めてDaihatsuの文字を作成し、''サーブの新開発車ではなく、研究の為に輸入したダイハツ車である''とする偽装工作まで行われた。実際にプロトタイプの車両のボンネットに対してDaihatsuの文字エンブレムが貼付された、SAAB・ダイハツという通称の99が製作されており、前述のパダン共々、トロルヘッタンのサーブの博物館に展示されている。 こうしたプロトタイプでテストが重ねられた99のエンジンは、従来のサーブに用いられてきた2ストローク3気筒やフォード・タウヌス12M用のV4では以後の排気ガス規制をクリアできないことが予想されたため、英国トライアンフ製の1,750cc直列4気筒が採用された。トライアンフもこのエンジンでドロマイトという4ドアスポーツサルーンを1970年代に量産、更に同じエンジン2つをV型につなぎ、スタッグという2ドア・スペシャリティーカーまで開発・生産している。 このエンジンは当時としてはまだ珍しい電動ファンを備え、サーブ専用のゼニス・ストロンバーグ製のキャブレターでチューンされていた。1972年以降はサーブ自製エンジンに切り替えられ、その後1,984ccまでの排気量拡大、ターボチャージャー装着、さらに900の時代になるとDOHC16バルブ化、ガソリンのオクタン価に合わせてエンジンを自動制御するAPCシステム導入など、数々の改良が行われた。後にグローバルスタンダードとなる三元触媒による排気ガス規制対策が最初に行われたのもこのユニットであった。 ボディは、96までの強烈な個性こそないものの、ボンネットの見切り線やルーフラインが前年に発売された日本のスバル・1000にも似たスタイルで、CD値0.37と当時としては空力特性も良好であった。そして、ホイールアーチの上まで回りこんだ前ヒンジの巨大なボンネット、大きく左右に回り込んだ上下に薄く、傾斜角の浅い、軽飛行機のようなウインドスクリーン、ほとんどフラットなサイドシルとそれを可能にするボディ下端まで切り込まれたドアなどが、99に同時代の他車から抜きん出た強い個性を与えていた。しかも、一見特異に見えるこれらの設計は良好な整備性、良好な運転視界、乗降性の高さをもたらしており、決して奇をてらうためのものではなかった。ちなみにギアをマニュアルトランスミッション車ではリバース、オートマチックトランスミッション車ではPレンジに入れないと抜けないシフトレバー根元のイグニッションキーも、凍結した坂道で駐車中の車が動き出さないようにとの配慮であった。ただ、強固なサイドシルがないことは、後継の900の時代になると、エンジン・サスペンション・タイヤ等の進化もあって、ライバルに対するボディ剛性の不足というマイナス面として顕在化することになった。 サーブの伝統に従い、初期モデルは雪道での安全性の確保と燃費の向上のためのフリーホイール機構を備えていた。また、当初よりサーボ付き四輪ディスクブレーキを装備していた。 File:SaabPaddan.jpg|パワートレインのテスト用のプロトタイプ、パダン。 File:Saab'Daihatsu'.jpg|99の直接のプロトタイプには、Daihatsuの文字を貼付して秘密裡にテストが重ねられた。 File:Saab_'Daihatsu'.jpg|通称SAAB・ダイハツとして展示が行われている99のプロトタイプ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「サーブ・99」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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