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ザ・ムービー事件(ザ・ムービーじけん)とは、2012年10月末に情報流出アプリによって大量の個人情報が悪用された事件。 ==経緯== 出会い系サイト等を運営していたIT関連会社の社員が社内で「携帯端末内の電話帳の全個人情報を抜き取るアプリ」の作成という発案に社長が同意〔アンドロイド標的 無料不正アプリ氾濫「拾い物食べるのと同じ」 産経新聞 2012年11月2日〕。IT関連会社は取引先会社役員に約50万円で作成を持ち掛け、取引先会社役員は知人のプログラマーに依頼して2012年2月に情報流出アプリ作成に成功。2月から4月にかけて、アイフォーンの人気ゲーム等の名称の後ろに「the movie」を付け加えたアプリ名を配信して、アイフォーンの人気ゲームの動画再生サイトを装って約50種類のアプリをアンドロイド端末の公式サイト「グーグルプレイ」に配信〔個人情報の無断収集、人気アプリ名を悪用 IT media 2012年10月31日〕。これによって、アプリをダウンロードした約9万人から情報を取り込み、約1183万件の電話番号やメールアドレスなどが流出し、出会い系サイト勧誘に悪用された。 2012年10月13日に情報流出アプリの製作・配信に関与したIT関連会社社員ら5人が逮捕された〔スマホ情報1千万件流出 不正アプリ配信容疑でIT会社元会長ら逮捕 産経新聞 2012年10月30日〕。逮捕容疑は2012年3月に東京都内の女性に対し、意に反して個人情報を外部に送信させた不正指令電磁的記録供用罪容疑であった。スマートフォンからの個人情報大量流出が立件されたのは初めてであった。個人情報大量流出発覚後にIT関連会社社長は会社を清算し、社内のパソコンのデータや文書を破棄していたが、残っていたパソコンからは約50種類の情報流出アプリが発見された。 だが、アプリをインストールする際の同意画面において「アプリに許可する権限」として「連絡先データの読み取り」という項目を表示しており、「利用者の意思」に反して情報が抜き取られたかどうかが焦点となった〔不正アプリ立証、インストール時の「同意」が壁 日本経済新聞 2013年1月29日朝刊〕。警視庁幹部は「この表示だけで、全電話帳データを抜かれるとは思わない」として利用者の意思に反すると指摘したが、逮捕された5人の弁護士は「この表示を読めば、個人情報が読み取られると認識できるはずだ」として利用者の同意に基づくものだったと反論していた。 逮捕された5人は勾留期限の11月20日に処分保留で釈放された〔スマホ情報流出で逮捕の5人を釈放、東京地検 産経新聞 2012年11月21日〕。12月26日に東京地検に「利用者の意思に反した流出だったと認定するのは困難」「最初から個人情報を不正取得する認識があったことを示す証拠がない」ことから、5人は嫌疑不十分で不起訴処分となった〔情報流出アプリ、5人不起訴…事実認定難しく 読売新聞 2012年12月28日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ザ・ムービー事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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