|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 実 : [み, じつ] 【名詞】 1. fruit 2. nut 3. seed 4. content 5. good result ・ 実験 : [じっけん] 1. (n,vs) experiment ・ 験 : [しるし] 【名詞】 1. (1) mark 2. (2) symbol 3. (3) evidence
シェハリオンの実験(シェハリオンのじっけん、)とはネヴィル・マスケリンにより1774年に実施された地球の平均密度の計測を目的とした実験である。王立協会からの研究費を得て同年夏、スコットランド・(旧)パースシャイアにあるシェハリオン山 (en) を含む山岳地帯で実施された。本実験は、振り子 (本来は振らさずに静止させる「下げ振り」であるが以下では「''振り子''」と表現する) における、近傍にある山の引力に起因する、真の鉛直方向からの微小な変位角を計測するものである。シェハリオン山は、複数の選定候補の山の中で、その孤立性・ほぼ対称な形状など、理想的な実験立地にあると考えられていた。 本実験計画はかつてアイザック・ニュートンによってニュートンの万有引力の法則の実証的実験として王立協会へ申請がされるも、棄却されていたものである。その後、王立協会の科学者チーム、特に王室天文官であったネヴィル・マスケリンは本実験の計測可能性を見いだし、実験計画を引き継ぐこととした。振り子の変位角は、地球と山の相対密度と相対体積によって決定される。すなわち、もしシェハリオン山の密度と体積が分かれば、地球の密度も分かることとなる。さらに地球の密度が既知となれば、相対比のみが既知であった地球の他の天体すなわちその衛星である月や太陽の密度も近似的に知ることが期待された。また実験の副産物として地図測量に対してシェハリオン山の等高線を提供し、その調査を簡易化することができた。 == 背景 == 振り子は対称形の重力場中に真っ直ぐに吊り下げられている。ここで山のような十分に巨大な質量が近傍にあれば、その引力によって振り子のワイヤーは真の鉛直方向に対して僅かにずれる。例えば星のような既知の物体に対する振り子のワイヤーの角度の変位が山の両側から慎重に計測される。もし山の質量が、山の体積とその岩石の平均密度とは独立に得られるなら、それらの値の補外により地球の平均密度、さらに質量を得ることができる。 アイザック・ニュートンはブリンキピアでこのような効果を考察していたが、当初そこでは現実の山がもたらす効果は計測するためには変位角が小さすぎるだろうと悲観していた〔 Translated: Andrew Motte, First American Edition. New York, 1846〕。彼はそのような引力の効果は惑星級の大きさで初めて計測できるものであろうと記していた〔。しかしこのニュートンの当初の悲観は根拠の無いもので、彼の計算では理想的な3マイル (約4,800m) の高さの山に対する変位角は 2 分以下であり、この角度は大変に微小ではあったものの、その時代の計測機器の能力範囲内であった。 ニュートンのアイディアを試す本実験は、ニュートンの万有引力の法則を証明するとともに、地球の質量と密度の推定値を与える。この時代では天体の質量は相対比率しか既知でなかったので、地球の質量の決定は他の惑星、それらの衛星 (月)、そして太陽の質量の有意な値をもたらすこととなる。この時点では実験家たちの目的ではなかったもののこのアイディアには万有引力定数 ''G'' の決定という意義もあったが、科学文献での ''G'' の値への言及はほぼ100年後まで待たなくてはならなかった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「シェハリオンの実験」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|