|
シグムンド (Sigmund) とは、北欧神話およびゲルマンの叙事詩に登場する英雄である。ヴォルスングとフリョーズの間に10人の息子の長男として生まれた。彼と、彼の双子の妹シグニュー(en)はヴォルスングの子らの中で特に美しく、優れていたとされる。〔『アイスランドサガ』p.536「ヴォルスンガサガ」第6章。〕また、シグムンドは毒が効かないほど強健であった〔『アイスランドサガ』p.541「ヴォルスンガサガ」第7章。〕。 彼はシグニューとの間にシンフィヨトリ、最初の王妃ボルグヒルドとの間にヘルギ(en)とハームンド、2人目の王妃ヒョルディースとの間にシグルズをもうけた。 == 概要 == === ヴォルスング一族の殺害 === 権勢を誇るガウトランドの王シゲイル(en) はシグニューに求婚した。ヴォルスングは歓迎したが彼女本人と彼女の兄弟たちはこの話には乗り気ではなかった。しかし万事についてそうであるように、決定は父王に委ねられシゲイルとシグニューは婚約した。 結婚式はヴォルスングのところで行われた。すると祝賀の宴にオーディンが現れ、広間の中心にあるリンゴの大樹バルンストック(「子供の幹」の意)に一本の剣を柄元まで刺し、抜いた者に褒美として与えると言って立ち去った。その場に居合わせた勇士たちは剣を抜けた者がこの場にいる全ての中で一番優れていると考え、次々に試みたが誰も引き抜けなかった。しかしシグムンドはたやすくこれを引き抜き剣を自分のものにした〔『アイスランドサガ』p.537「ヴォルスンガサガ」第3章。〕。 剣の素晴らしさを目の当たりにしたシゲイルは剣の重さの3倍の黄金で譲るように頼んだが、彼にはこの剣はふさわしくないとシグムンドは一蹴し〔『アイスランドサガ』p.537「ヴォルスンガサガ」第3章。〕、腹を立てたシゲイルは翌日宴の席を辞して帰国する。シゲイルは帰り際に滞在の短さの非礼の埋め合わせに3か月後自国への招待を受けて欲しいと申し出て、ヴォルスンガは承諾するが、これにはシグムンドから受けた侮辱への報復の意図があった〔『アイスランドサガ』p.538「ヴォルスンガサガ」第4章。〕。ガウトランドに到着した船上にいる父にシグニューは罠であると警告し帰国を促すが、ヴォルスングは潔しとせず船を降りてシゲイルの軍勢を戦った。この戦いでヴォルスングと供の者は戦死し、10人の王子は捕らえられ処刑されることになった〔『アイスランドサガ』p.538 - p.539「ヴォルスンガサガ」第5章。〕。 シグニューはシゲイルに、彼らをすぐ殺さずに手かせと足かせを嵌めてくれと懇願した。この願いは聞き入れられたがシゲイルは彼らを森の中に放置した。夜になるとメスのオオカミが〔魔法で変身したシゲイルの母親だとされている(『アイスランドサガ』p.540「ヴォルスンガサガ」第5章)。〕彼らの元へやってきて一晩に1人ずつ食い殺し、最後にシグムンドだけが残った。シグニューは人をやってシグムンドの顔に蜂蜜を塗らせた。オオカミは彼を殺す前に蜂蜜を舐め、シグムンドは彼女の舌が口に入ったときにこれを噛み切って殺した〔『アイスランドサガ』p.539-p.540「ヴォルスンガサガ」第5章。〕。シグニューはシグムンドが生きているのを確認すると地下室を作って彼を匿った。 彼女はシゲイルとの間に産まれた2人の息子が自分の一族の復讐を果たせるか試みるが、彼らに見込みが無いと分かるとシグムンドに殺させた〔『アイスランドサガ』p.540「ヴォルスンガサガ」第6章。〕。その後シグニューは魔法使いの女と姿を取り替えて兄のシグムンドを尋ね、床を共にしてシンフィヨトリを産んだ〔『アイスランドサガ』p.540 -p.541「ヴォルスンガサガ」第7章。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「シグムンド」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|