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システムLSI () とは、一般的にマイクロコントローラを含んで組み込みシステム製品の主要な電子回路を1チップ程度に集積した半導体素子であり、SoCによる具体的な部品という性格もある〔システムLSIでは主要な機能を1つ程度に詰め込んでいるが、SoCでは概念としてすべてを1つに詰め込んでいる。〕。狭義にはカスタムLSIだけを指すが、広義にはカスタムLSIに汎用のCPUやDSPを加えたLSIを含める〔。 特に民生分野の大量生産品で、情報家電などの複雑なシステムにおいて、LSIの小型化、高性能化およびコスト削減のためにシステムLSIを開発して使用している。デジタル回路を中心に構成されており、入出力部にアナログ回路を持つものも多い。なお、以下の説明内では、電子回路技術としては純然たるアナログ領域で動作しているクロック回路やインターフェース回路も組込側での分類を優先してデジタル回路の説明として扱っており、アナログ回路は組込側でビデオ信号や音声信号のようなアナログ信号を扱う回路のみに限定している。 == 分類 == === 内部回路による分類 === システムLSIは内部に以下の回路の1つ、または複数が含まれ、それらの種類で分類できる。 つまり、以下の電子回路を含んで特定の用途に向けた専用の電子部品がシステムLSIである〔システムLSIとマイクロコントローラやPLD類との境界は曖昧である。〕。 * カスタムLSI * セミカスタムLSI * ゲートアレイ() * エンベデット・セルアレイ() * スタンダード・セルアレイ() * フルカスタムLSI * プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、FPGA() * CPU、MPU * DSP ;ゲートアレイ :ゲートアレイは、メタル配線前のベーシック・セル配列の状態である「マスター・スライス」までが固定で提供され、ユーザーはこの上に重ねるメタル配線層を指定して製造される。修正は比較的簡単であり、短納期で設計も簡単であるが、ベーシック・セル以外の回路は得られず配線長も長くなる。マスター・スライスまでのマスクは汎用なので安くなる。チップサイズはいくつかの規定内から選ぶので、ムダが生じやすい。 ;エンベデット・セルアレイ :エンベデット・セルアレイは、ゲートアレイの下地の中に望むマクロを埋め込むことができる。ゲートアレイと埋め込むマクロを決めれば製造を開始してからメタル配線層の設計ができるため、ゲートアレイと同程度の短納期で高機能なLSIが作れるが、ゲートアレイ部分では性能は限定される。チップサイズはいくつかの規定内から選ぶので、ムダが生じやすい。 ;スタンダード・セルアレイ :スタンダード・セルアレイは、あらかじめ碁盤目状に配置されたベーシック・セルは用いずに、基本的なマクロセルを自由に選べて配置できるスタンダード・セルと埋め込むマクロを最適に配置することで設計される。位置と配線の最適化と共に最適のセルやマクロを使えるために高い性能が得られる。スタンダード・セルやマクロを使用して設計時間の短縮を図っているが、製造の開始は全ての設計が完了してからとなるために、納期は長く修正も難しくなる。 エンベデット・セルアレイやスタンダード・セルアレイでは、チップサイズが自由に選べるので、埋め込むマクロの割合を増やせればベーシック・セルによる性能の制約は緩和されるために、ライブラリ化に向く。マスクは専用なのでコスト高となる。 ;PLD, FPGA :セルアレイ類ではいずれもマスクによって製造時から回路の配線が決められるが、PLDやFPGAと呼ばれるセミカスタムLSIの一群では、完成された半導体パッケージをユーザーの手元で配線をプログラムすることができるため、納期の点では最も短くなり、修正も多くが再書き込み可能であるなど迅速に行える。半導体製造者は1セットのマスクから作られた単一製品を販売するだけで済むので品種も少なくて済み、ある程度の販売量が見込めて納期管理のような顧客対応が不用となる。ユーザーも少量ならば比較的廉価で容易に購入できるようになり、製品情報や設計情報が外部に知られることも無くなるが、ゲートアレイと同様のベーシック・セルによる配列と性能の制約に加えて記憶素子による配線という性能低下もあり、超高性能製品は期待できない。記憶素子と配線の構成の違いから、PLA、CLB、ALMの3方式がある。 :;PLA方式 ::PLA方式では、単純な論理ゲート間を縦横の多数の配線で結び、それらの交点ごとにある記憶素子の「H」、「L」によって接続/非接続を決定している。比較的規模の小さなPLDに向いている。 :;CLB方式 ::CLB方式では、CLB()と呼ばれるフリップ・フロップとLUT、少しの単純な論理ゲートからなる機能単位が縦横に走る配線の間に碁盤目状に配置される。LUT(Look Up Table)では、記憶素子によって真理値表を記憶させ、入力に対する出力動作を規定する。 :;ALM方式 ::ALM()方式では、LAB()と呼ばれるCLBにキャリー端子が加えられた機能単位がいくつかの集団にされて、縦横に走る配線の間に碁盤目状に配置される。キャリー端子が加えられることで、回路の大規模化が容易になる。 記憶素子には、Flash、SRAM、フューズが使われる。Flashとはフラッシュメモリのことであり、不揮発性なのでこのままで記憶内容が保持できる。SRAM は揮発性なのでこのままで記憶内容が保持できないため、外部にPROMやフラッシュメモリを外付けして起動時に毎回読み込む必要があり、2009年現在ではこの方式は少なくなっている。フューズは厳密には記憶素子ではなく電気的に配線を焼き切ったもので、原理上、再書き込みは行えない。PLDやFPGA用の記憶素子にはフラッシュメモリの採用が多くなっている。CLB方式とALM方式では、縦横に走る配線の交点やCLB、LABの配線との入出力接続は、記憶素子の"Hi"、"Low"によって接続/非接続を決定している。 PLD類はマスクから作るだけのコストに見合った販売数量が期待出来ない特殊用途向きの製品や量産前の試作で使用されることが多い〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「システムLSI」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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