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市民(しみん)は、政治的共同体である市及び都市においての構成員。個々の人間を指す場合と、人間集団をまとめて指す場合とがある。 構成員全員が主権者であることが前提となっている議論では、構成員を主権者として見たもの(現代社会について述べるときはこの意味合いのことが多い)。政治的共同体とは、語源的に都市を指している(citizenとcityは同語源である)。 市民に似た概念として国民があるが、両者の違いは、「市民」がその理想とするところの社会、共同体の政治的主体としての構成員を表すのに対して、「国民」はその「国家」の国籍を保持する構成員を表すという点にある。市民と国民は相互に置き換え可能な場合も多いが、そうでない場合もある。たとえば、絶対王制国家の場合、国民は全て臣民であり、市民ではない。また一方で「欧州連合の市民」のように国家とは直接に結びつかないような形の市民権もあり、この場合市民を国民と言い換えるのは適切でない。 == 市民の歴史 == ; 古代の共和制都市国家における自由市民 :古代ギリシアのπόλις ポリスや、共和制古代ローマにおける男性の自由市民は、政治に参画するとともに、兵士として共同体の防衛義務を果たした。彼らは都市国家の住民として「市民」と呼ばれた。(ラテン語で ''civitas'') ポリスはしばしば3種の住民に分割され、最高の階級は、参政権を所持している市民である。次に、参政権のない市民、最後に非市民がいた。投票権を持っていたのはたとえば民主制アテナイでも、自由市民のうち成人男性のみであった。また各ポリスはいくつかの部族かデモス(区、胞族と最終的には氏族で順に構成された)から構成された。メトイコイ(在留外国人)と奴隷は、このような組織には入っていなかった。市民権は生まれにより通常決定された。各ポリスは崇拝する守護神、特有の祭儀及び習慣を持っていた。 ; 中世ヨーロッパ都市における富裕な商工業者としての都市住民、ブルジョワ :市民と訳されるブルジョワは、城壁(ブール)に囲まれた都市に住む住民に由来している。 ; フランス革命以後の政治的主体としての市民、''citoyen''シトワイヤン :ブルジョワが経済階級、あるいは身分としての側面を強く持っていたのに対し、シトワイヤンは階級性を排除した、抽象的な市民概念である。ただし、カール・マルクスによれば、このシトワイヤンの実態とはブルジョワであり、プロレタリアート(下層労働者)は入っていなかった〔「共産党宣言」ほか〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「市民」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Citizenship 」があります。 スポンサード リンク
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