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シニョリッジ : ウィキペディア日本語版
シニョリッジ
シニョリッジ (seigniorage)、または通貨発行益とは貨幣発行益、貨幣発行特権のことをいう経済用語。「セイニアーリッジ」「シニョレッジ」といった表記もされる。
== 概要 ==
シニョリッジとは、政府・中央銀行が発行する通貨紙幣から、その製造コストを控除した分の発行利益のことである〔田中秀臣 『経済論戦の読み方』 講談社〈講談社新書〉、2004年、77頁。〕。
「シニョール」(seignior) とは古フランス語で中世の封建領主のことで、シニョリッジとは領主の持つ様々な特権を意味していた。その中には印紙税収入や鉱山採掘権などもあるが、特に重要なのが貨幣発行益であった。中世の領主は額面より安価にコインを鋳造し、その鋳造コストと額面との差額を財政収入として享受していた。
鋳造貨幣はその地金価値を額面が上回ることが多かったため、シニョリッジを狙って貨幣の偽造が行われることも多かった。また、領主は財政難に対処するために品位を落として貨幣を鋳造するようになった。低品位の貨幣は財政難を解消するために役立ったが、一方で貨幣に対する信用を下落させインフレーションを引き起こしてきた。
通貨が信任されている限りは、シニョリッジの効果はある〔田中秀臣・野口旭・若田部昌澄編 『エコノミスト・ミシュラン』 太田出版、2003年、81頁。〕。
現代では政府の発行する貨幣硬貨)について、製造費用と額面との差額は政府の貨幣発行益となっている。一方で中央銀行が銀行券を発行することによって得られるシニョリッジは、銀行券発行の対価として買い入れた手形国債から得られる利息であり、銀行券の製造コストと額面の差額ではない。これは政府の発行する貨幣との大きな違いである。銀行券は銀行にとって一種の約束手形であり、バランスシート上も負債勘定に計上されるものであるところから、このような違いが生じる〔
〕。
中央銀行のシニョリッジについては、銀行券の独占的発行という特権から得られる性格のものであることから、その利益を公共に還元すべきという考えがある。多くの国において、中央銀行が利益の一部、または全部を国庫に納付する制度が採用されている〔日本では日本銀行の毎期剰余金は法定準備金、配当を除いた額を国庫に納付することとなっている(日本銀行法第53条)。〕。ただ、政府が当然のものとしてシニョリッジを得ることを認めてしまうと、紙幣増発に政策が誘導されインフレーションの助長や財政規律の緩みの恐れがあるため、納付金の使途に制限を設けることがなされている。また、最後の貸し手機能など中央銀行が行う公共サービスの原資としても用いられる〔。
シニョリッジから得られる実質的な価値には上限があり、またそれは一般に考えられているほど大きくはない〔デビッド・ローマー 上級マクロ経済学〕ことに注意が必要である。また、通貨は市中の貨幣需要により供給量に上限があり、それをこえた通貨供給を行えばインフレが生じ、物価上昇分が(通貨を保有していたことに対する)インフレ税として機能することになる。加速的なインフレのもとでは誰もが資産を通貨で保有しようとしなくなるため通貨発行益を減らすことになる〔「通貨発行益(シニョリッジ)と途上国財政」国宗浩三(『開発途上国と財政問題』調査研究報告書 アジア経済研究所 2008年)〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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