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スィノプ()または、シノーペー()は、トルコ北部のスィノプ県の県都である。古代には地方にあたる地域であり、歴史的にはシノーペーとして知られている。シノプ〔シノプ【Sinop】 大辞泉〕、 シノップ〔三菱重工と仏アレバ、トルコの原発建設プロジェクトに署名 ブルームバーグ 2013年5月4日 2013年6月10日閲覧〕、シノペ、シノーペ。古代名はシヌワ(Sinuwa)であり、イスラーム世界の学者・旅行家は町をサヌーブ、シナーブ、シーヌーブと呼んだ〔『シルクロード事典』、136-138頁〕。 観光業や小規模な漁業、造船業が営まれ、タバコ、木材などを移出する港湾都市である〔〔シノプ(しのぷ) 日本大百科全書(小学館)〕。町を東西に走るジュムフリエット通りとサカルヤ通り、サカルヤ通りの東端から南に延びるアタテュルク通りが町の大通りになっている〔地球の歩き方編集室編『イスタンブールとトルコの大地(2013‐2014年版)』、439-441頁〕。 ==歴史== === 古代・中世 === スィノプ周辺の地域では青銅器時代初期から人類が生活していたが、町そのものの起源は明確になっていない〔由利「シノップ」『世界地名大事典』3、477-478頁〕。メソポタミア、キリキアから訪れた隊商の交易拠点となっていた。 キンメリア人によって町が破壊された後、紀元前8世紀にミレトスからの入植者が町を再建した〔別枝篤彦「シノプ」『世界地名大事典』6巻収録(朝倉書店, 1973年)、475頁〕。ギリシャの地理学者ストラボンは、神話の英雄イアーソーンが率いるアルゴナウタイがシノーペーを発見した伝承を紹介している。黒海・アナトリア半島内陸部・メソポタミア地方を結ぶ交易地として、シノーペーの町は繁栄した。シノーペーではポントス山脈に茂る森林から取れる木材を利用した造船業が発達し、イオニアはシノーペーを拠点としてトラペズス(トレビゾンド、現在のトラブゾン)などの新たな植民都市を建設した〔。 紀元前2世紀になるとポントス王国の首都となり、サムスンと並ぶ拠点となる。ミトリダテス6世の治世にシノーペーは全盛期を迎え、ミトリダテス6世の生地であるシノーペーには神殿や造船所が建設されたが、ポントスが共和制ローマの執政官ルキウス・リキニウス・ルクッルスに敗れると町もローマの影響下に置かれる〔。紀元前47年にローマによって征服され〔、ユリウス・カエサルがこの地にコローニア・ユリア・フェリックス(Colonia Iulia Felix)という植民市を建設した。ローマ時代にはクリミア半島との交易で繁栄したが、サムスンと比べて内陸部との交通の便で劣るため、繁栄の度合いもサムスンに次ぐものであった〔。 ローマ帝国の東西分裂後、シノーペーは東ローマ帝国(ビザンツ帝国)領となった。東ローマ時代でもスィノプは商業都市としての性質を保ち続け、セルジューク朝がアナトリア半島に進出した後もビザンツ領として残っていた。1204年の第4回十字軍によってコンスタンティノープルが陥落すると、トレビゾンド帝国の領土となり、1214年にルーム・セルジューク朝のカイクバード1世に征服された。町にはルーム・セルジュークの軍隊が駐屯し、キリスト教の教会はイスラームのモスク(寺院)に改築される〔。 13世紀半ばにルーム・セルジューク朝が衰退するとスィノプの町はイルハン朝の影響下に入り、1265年にイルハン朝の君主アバカはルーム・セルジュークの宰相ムイン・アッディーン・スライマーンにスィノプの支配権を与えた〔バットゥータ『大旅行記』3巻、394-395頁〕。14世紀初頭のルーム・セルジューク朝の滅亡後、イルハン朝はにスィノプの統治を委任し、この地にベイリク国家のが成立した〔バットゥータ『大旅行記』3巻、395頁〕。1322年ごろ、(イスフェンディヤール侯国)がスィノプを征服し、ジャンダル侯国の首都とされた〔バットゥータ『大旅行記』3巻、393頁〕。1340年に旅行家イブン・バットゥータがスィノプの町を訪れ、キリスト教区の居住区や大モスク(アラエッディン・モスク)について書き残した〔バットゥータ『大旅行記』3巻、331-332頁〕。ジャンダル侯国はスィノプを拠点としてオスマン帝国への抗戦を続けたが、1461年にメフメト2世によってジャンダル侯国とスィノプはオスマン帝国に併合される。13世紀、14世紀のスィノプはイズニク、ブルサに繋がる交易の拠点として重要視され、1351年よりジェノヴァ共和国の領事館が置かれた〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スィノプ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Sinop, Turkey 」があります。 スポンサード リンク
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