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シャロヴィプテリクス : ミニ英和和英辞書
シャロヴィプテリクス
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


シャロヴィプテリクス : ウィキペディア日本語版
シャロヴィプテリクス

シャロヴィプテリクス(Sharovypteryx:「シャロフ〔アレクサンドル・シャロフ(Aleksandr Grigorevich Sharov) - ロシアの古生物学者。〕の翼」の意)は三畳紀初期に現れた爬虫類で、後足に張られた飛膜で滑空ができた。滑空する爬虫類としては最も初期のものの一つ。
== 概要 ==
かつては別名のポドプテリクス(Podopteryx:「脚の翼」の意)として知られていた。全長は約20センチメートルで、極めて長い尾を持ち、体重は約7.5グラムであった。議論の余地はあるが翼竜とは近縁、もしくはひょっとするとその祖先であった〔Peters, D., 2000. A Redescription of Four Prolacertiform Genera and Implications for Pterosaur Phylogenesis. - Rivista Italiana di Paleontologia e Stratigrafia 106(3): 293-336〕。翼竜とは違い、その主たる飛膜は前脚(ごく短い)ではなく長い後脚に張られていた。
もしシャロヴィプテリクスが翼竜の祖先であるならば、進化の過程で後脚の飛膜が前脚へ伸長されたか、あるいは後脚の飛膜とは独立に前脚の飛膜が発達したのであろう。シャロヴィプテリクスの前脚に飛膜があったかどうかは未詳であるが、指はピーターズによって発見されており〔Peters, D. (2006). "The Front Half of Sharovipteryx" Prehistoric Times 76: 10-11.〕、コセサウルス(Cosesaurus)やロンギスクアマとの類似点が(翼竜ともいくらかの類似点が)指摘されている。シャロヴィプテリクスは跳躍性の動物であったとする理論もある。これによると彼らは空中に跳ね上がり、その「翼」で落下を制御していたのである。この考えは、翼竜が樹上性の祖先からではなく走行性・跳躍性の祖先から進化したとする理論と整合性が良い。翼竜が樹上生活への適応を欠いているためにこの説を信じる科学者も少なくない。しかしながら、別の理論によると、シャロヴィプテリクスは後脚の鋭い爪を利用して木に「駆け上が」り(彼らの覆われた後脚は通常の「木登り」には不向きであったろう)、樹上から空中に跳び出していた。彼らの前脚は四足での走行や木登りを行うにはあまりにも短く見える。そのような構成は前脚を歩行の役目から解放してそれらが何か別のものになるため必要だったのであろう。
現生のトカゲにも二足走行の可能なものはいるが、シャロヴィプテリクスはそれらのいずれと比べても優れた骨盤仙椎、長い後脚、短い胴体、細長い尾を持っていた。尾の筋肉の減少と腰の筋肉の増大は、シャロヴィプテリクスが翼竜のような生理(温血性と推測されている)に近づきつつあったことを示唆している。
2006年、ダイク(Dyke)らの論文〔Dyke, G.J., Nudds, R.L. and Rayner, J.M.V. (2006). "Flight of Sharovipteryx mirabilis: the world's first delta-winged glider." Journal of Evolutionary Biology.〕が発表され、シャロヴィプテリクスがどのように滑空していたかの研究結果が示された。著者たちの見解よると、飛膜は長い後脚と尾の間に張られ、シャロヴィプテリクスはデルタ翼の飛行機のように滑空していた。もし小さな前脚にも飛膜があったならばそれは先尾翼のように働き、ピッチ方向の安定性を高めるのに効果的であった。先尾翼が無かった場合、制御された滑空は極めて困難であっただろうと著者たちは述べている(既知の化石において前脚の付近は状態が悪く、飛膜の痕跡は発見されていない)。もう一つの飛膜(すなわち襞になった首の皮膚)は保存されている。これは細い頚椎の6倍の幅があった。喉から首へ細長い角鰓節が伸びていた。もしそれが(現生の一部のトカゲのように)横に広がったなら、襞になった首の皮膚は側方向に伸ばされて、現代のジェット戦闘機に見られるようなストレークストレーク(Strake) - 胴体や機首の側面に設けられたフィン。前縁付け根延長(Leading Edge Root Extension)、略してLERXとも呼ばれる。発生させた渦を主翼部分に当てる事で、大迎角時における翼上面の気流の剥離を抑えるものである。〕として機能したはずである。前脚の先尾翼と首のストレークは、相乗して、滑空をするには絶好の操縦翼面となったであろう。
1971年のシャロフの論文〔Sharov, A.G. 1971. New flying reptiles fro the Mesozoic of Kazakhstan and Kirghizia. - Trudy of the Paleontological Institute, Akademia Nauk, USSR, Moscow, 130: 104–113 Russian .〕では両手の第4指が引き伸ばされて描かれた。2006年のピーターズの論文では指の発見が報告され、もし先尾翼が存在したとしてもダイク(指を考慮していない)が想像したようなものとは違うとの主張がなされている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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