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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
温水洗浄便座(おんすいせんじょうべんざ)とは洋風便器に設置して温水によって肛門を洗浄する機能を持った便座のことである。商標の普通名称化により「ウォシュレット」や「シャワートイレ」などの呼称で総称している場合があるがウォシュレットはTOTO、シャワートイレはINAX(LIXIL)の商標である。日本ではこの温水洗浄便座を装備した便器が増加しており、2015年3月末現在の一般家庭への普及率は77.5%に達する〔主要耐久消費財の普及・保有状況(一般世帯) - 内閣府(2015年4月17日)〕。 海外ではビデの一種として扱われ、「combined toilets」または「bidet attachments」などと呼ばれるが、わざわざビデを便器と一体化したりせず、便器の横に併設されていることが多い。逆に日本では温水洗浄便座の一機能としてビデが存在する場合が多く、ただでさえ狭いバスルームの中で便器の隣にビデが併設されていることはまずない。 ==歴史== 普通ならバスルームで便器に併設されているビデを、ノズルの形で便器と一体化し、さらに電気制御式としたものが、アメリカで医療・福祉施設向けに開発され、痔の治療などに使われていた。 日本の衛生陶器メーカーである東洋陶器(現:TOTO)がこれを日本の一般住宅向けに販売しようと考え、1964年にアメリカンビデ社(米)の「ウォシュエアシート」を輸入販売開始したのが温水洗浄便座の始まりとされる。その後、ライバルの伊奈製陶(ina)〔社名は1985年のCIによるINAX(イナックス)を経て2011年の合併でLIXIL(リクシル)に。ブランド名としてのINAXは当面存続するため本項ではINAXとする。〕が1967年10月に国産初の温水洗浄便座付洋風便器「サニタリーナ61」を発売(1976年にはシートタイプ(便座単体タイプ)の「サニタリーナF」を発売)、TOTOも1967年にアメリカンビデ社より特許を取得し、「ウォシュエアシート」の国産化に踏み切り、1969年には便座暖房機能付きの「ウォシュエアシート」の生産を開始した。 しかし初期のこれら商品は温水の温度調節が難しかったことから温水の温度が安定しないために火傷を負う利用者もいたほか、価格も高く普及には程遠かった。もっとも1970年代以前はまだ和風便器も多く採用されていた上、下水道の普及も進んでいなかったのも一因である。 1980年、TOTOは独自に開発を進めてゆき「ウォシュレット」の名称で新たな温水洗浄便座を発売した。このウォシュレットでは温水の温度調節、着座センサーの採用、さらにビデ機能の搭載などが盛り込まれ改良が年々進んだ。日本人の清潔志向の高まりとウォシュレットの積極的なCM展開が普及へと繋がることになる。なお、ウォシュレットに限った歴史についてはウォシュレットの記事も参照されたい。 1980年代半ばには伊奈製陶が「サニタリーナ」に代わって「シャワートイレ」の名称を前面に出すようになり、また電機メーカー各社も松下電工(現:パナソニック)を始めに参入、一部はOEM供給によってしのぎを削るようになる。 1990年代には日本の新築住宅で多くが温水洗浄便座を採用することになる。さらにオフィスビルや商業施設、ホテルといったパブリック用途にも採用が広がり、2000年代には住宅/パブリック問わず採用されるのが一般的となってきている。さらに鉄道駅〔JR東日本や西武鉄道、大阪モノレールなど。西武は全駅への整備を行っている。〕、鉄道車両〔新幹線E5系電車のグリーン車や近鉄22600系電車など〕のような不特定多数の利用がある場所でも、採用例が出てきたほか、和歌山県は2013年に県内の全公衆トイレに温水洗浄便座を設置する計画を発表した〔すべての公衆トイレに温水洗浄便座計画! 和歌山 - YOMIURI ONLINE 大手小町 2013年2月6日〕。 海外ではTOTOの普及活動の割にほとんど普及していないが、中国・台湾を中心とするアジア圏では2015年頃より訪日して温水洗浄便座を初めて知った人が便利だと思って自国に帰って購入するケースが増え、普及が進んでいる〔TOTOの16年3月、純利益345億円 39%増に上方修正 日本経済新聞 2015/10/30〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「温水洗浄便座」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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