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シャープ亀山工場(シャープかめやまこうじょう)は、三重県亀山市にある電機メーカーシャープの工場。 2000年代には「世界の亀山」ブランドの液晶テレビの生産で知られたが、2012年以降はスマートフォン用のIGZOディスプレイが主力となっている。 同じ敷地内に第1工場と第2工場が存在する。ちなみに、中空の渡り廊下でつながっているが、第1工場に設置されたアップルのオフィスにつながる通路があるため、シャープ社員の立ち入りが一部区間で禁止されている。 == 概要 == IT不況下の2002年2月に、三重県の企業誘致政策により、135億円(三重県90億円+亀山市45億円)の補助金とともに誘致された。その後の景気回復のシンボルとして、また、世界初となる最新鋭の液晶テレビの一貫生産工場として話題を集め、テレビなどでのCMでも大々的に紹介された工場である。亀山工場ができるまでは、同じく三重県にある多気町の三重工場が液晶の主力工場であった。 2009年に大阪府堺市堺区において亀山工場の3.8倍の面積のシャープでは最大規模の堺工場が稼動を開始し、液晶テレビの主力工場は亀山工場より堺工場に移った。加えて世界的な景気後退に伴い、亀山第1工場は2009年初頭より操業を停止。生産施設をすべて中国企業に売却し、建屋のみが残った状態となった。莫大な補助金を投入した工場が、わずか6年で操業停止して設備を売却と言う事態に、シャープは県から補助金約6億4000万円の返還を求められた。スマホ時代の到来とともにシャープの液晶テレビ用大型ディスプレイは競争力を失い、第2工場も2012年に一時的に操業を休止し、堺工場とともに鴻海グループに売却する話が出るなど苦しい状態が続いた。亀山工場の操業とともに地方交付金の不交付団体となった亀山市は、工場の閉鎖とともに再び地方交付金の交付団体に転落し、駅前商店街はシャッター街と化した〔シャープもパナソニックも!「裏切りの工場撤退」で補助金が泡と消えた 現代ビジネス 講談社〕。 2011年、シャープは第1工場に約1000億円を投資し、iPhone用ディスプレイの専用工場として生まれ変わった〔シャープ、液晶1000億円投資 日本経済新聞〕。投資額の多くをアップルが実質的に負担したため、第1工場は製造設備自体がアップルの所有物であり(建屋はシャープの所有物)、iPhone用のディスプレイ以外が製造できないなど、事実上のアップルの下請け状態にある。そのため、iPhoneの売れ行きが亀山第1工場の操業度に、ひいてはシャープ全体の業績を左右するほどになっている。第1工場にはアップルのオフィスがあり、シャープ社員ですら立ち入りできない区画がある。iPhoneは販売台数が多いため大きな利益が得られるが、アップルはiPhoneの売れ行きに合わせて週単位で細かく生産調整をするため、長期的な生産台数が読めないというデメリットがあった。 第2工場も2012年以降は大型液晶テレビの生産を減らし、スマートフォンや携帯ゲーム機用の中小型液晶ディスプレイが主力となっている。2012年から2013年にかけてはシャープの経営危機とアップルの苦戦が重なり、第1・第2工場ともに稼働率が低下して非常に苦しい状態が続いたが、2012年には第2工場にて新開発のIGZOディスプレイの生産が開始され、競争力を失ったテレビ用大型液晶から高収益の得られる中小型液晶ディスプレイ工場への移行に成功。当初シャープはIGZOをiPadに回したため他社の需要が伸びず、安価で高品質な製品を開発したにもかかわらずアップルの需要に翻弄されて経営が極めて悪化したが、中国の中小スマホメーカーなど新規顧客の獲得に走り回った結果、2013年後半からはIGZOの人気や任天堂の3DS LL用ディスプレイの人気などで高い稼働率が続き、液晶事業が久しぶりに黒字になるなどシャープの復調を印象付けた。 2012年に堺工場が鴻海グループに入ったため、亀山工場が再び「液晶のシャープ」の主力工場となった。2014年上半期の中国スマホメーカー向けの出荷量は前年同期比4倍、9月には中小型液晶の比率が50%、第2工場の稼働率が100%に達した〔中小型液晶パネルにシフトしたシャープ亀山第2工場 - AV Watch AV Watch〕。2014年には、第1工場・第2工場ともにIGZOが主力で稼働率も好調ではあるものの、大口顧客・単一製品への依存が経営危機を招いたという反省から、第2工場ではIGZO以外にも多様な製品の生産を行っており〔シャープの反省、「僕らはIGZOを過信した」 | 週刊東洋経済〕、また2014年7月には第1工場でもアップル以外への供給が行えるようにアップル所有のラインを買収する交渉が開始された〔シャープ、アップル用設備買収交渉 亀山の液晶パネル工場 日本経済新聞〕。 しかし2014年9月以降には一転して液晶の競争激化などのため中国スマホメーカー向け中小型液晶の出荷が落ち込み、2年ぶりに稼働率とシャープの経営が悪化。LTPS(低温ポリシリコン)や高精細化などの最先端技術を身に着けつつある中国液晶パネルメーカーの価格攻勢、有機ELに傾注しつつある韓国メーカーの中、もはやIGZOなどシャープの液晶技術はそれほど評価されず、同じ日本のジャパンディスプレイと廉売による市場の奪い合いが起き、特に中国スマホシェア1位のシャオミ社の受注をジャパンディスプレイに取られたことが大きかったとされる〔シャープ赤字、液晶なぜ消耗戦 日経ビジネス〕。一度は減らしたテレビ向け大型液晶を稼働率維持のために増産せざるを得ない状況となった。 2015年4月、ついに亀山工場の分社化が報じられた。2015年代後半には中国バブルの崩壊で中国スマホ市場自体が落ち込み、iPhone単一への依存は抜けだしたもののiPhoneに加えてシャオミなど中国で人気のスマホに結局は依存している状態のシャープの液晶事業と、それに代わる柱が見つけられずに相変わらず液晶事業に依存しているシャープの経営がさらに悪化。シャープは本社ビルの売却に続いて亀山工場を含めたシャープの液晶事業も売却する方針で、堺工場を経営する鴻海、亀山工場の大口顧客であるアップル、液晶事業でライバルのジャパンディスプレイ、ジャパンディスプレイとの合同で日の丸液晶連合を画策する産業革新機構などが交渉を行っている〔http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ20H5D_Q5A920C1MM8000/ 鴻海、シャープの液晶買収提案 米アップルに出資要請へ 日本経済新聞 2015年9月21日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「シャープ亀山工場」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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