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ジギョ(鰣魚、中国語 シーユー )は、ニシン科シャッド亜科の回遊魚の一種。中国周辺の固有種。 == 概要 == ジギョは、通常海水の上層で回遊している魚であるが、4月から6月になると、長江、銭塘江、閩江、珠江など、中国の川の下流域に産卵のために遡上し、かつ脂が乗っているため、季節的に現れる魚との意味から「時魚」と称し、古来珍重されてきたが、標準和名は付けられていない。明治時代の『漢和大字典』〔重野安繹 等閲、『漢和大字典』、1903年、東京、三省堂 []〕には「鰣」に「ひらこのしろ」の注が見られるなど、ヒラコノシロやオナガコノシロと記した字書、辞書、料理書もあるが、根拠は不明。ヒラはニシン目ヒラ科ヒラ亜科に分類され、コノシロはコノシロ亜科で近縁種とはいえず、魚類学、水産学の書籍で使っている例は見いだせない。なお、国字の「鰣」は「ハス」と読むが、これは全く異なるコイ科の魚である。広東省では「三黎」、「」(広東語 サームライ)と称する。古名に「」(ゴ、)、「」(キュウ、)、「(当互)」、「」がある。 学名は何度も変更されており、シノニムに次がある。 * ''Alosa reevesii'' (Richardson, 1846) * ''Hilsa reevesii'' (Regan, 1917) * ''Macrura reevesii'' (Fowler, 1941) いずれも、reevesii(レーベシー)という種名が入っているが、東インド会社の茶の鑑定人で、1812年に広東を訪れ、この魚の記録を残したJohn Reevesの名にちなむ。 一般的に成魚は、雄が体長40cm前後、体重1.3kg程度、雌が体長50cm前後、体重2kg程度。最大60cm以上になるものもある。体色は銀灰色で、背側が黒っぽく、腹側が白っぽい。体は長いひし形に近く、V字型の長い尾鰭を持つ。 中国周辺の黄海南部から、台湾、フィリピン西部にかけての海域に生息する。春に淡水域まで遡上した成魚は、5月ごろ産卵した後、海に戻る。一尾で200万粒程度の卵を産む。産卵後1日程度で孵化し、稚魚は淡水域で数ヶ月育ち、秋の9月-10月に海に移動する。3年で成魚となるといわれる。 長江流域を中心に、かつて、年間数百トン獲れ、1974年には1500トンを超えたともいわれる。当時は湖南省の洞庭湖や、さらに上流でも捕獲できたが、乱獲によって1980年代には年間1トン未満となり、幻の魚と呼ばれるようになった。このため、資源が枯渇するのを防止すべく、中国政府は1988年に国家一級野生保護動物に指定し、現在は捕獲を禁じている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジギョ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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