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ベンザイン (benzyne) とは、分子式 C6H4 で表される、ベンゼンから水素原子を2つ取り除いたジデヒドロベンゼンのことである。取り除く2つの水素の位置によって3種の構造異性体、すなわち ''o''-ベンザイン(1,2-ジデヒドロベンゼン)、''m''-ベンザイン(1,3-ジデヒドロベンゼン)、''p''-ベンザイン(1,4-ジデヒドロベンゼン)が存在する。いずれも極めて不安定な化合物であり、反応中間体としてのみ知られている。 置換基を持つベンザイン誘導体やジデヒドロピリジン()など、他芳香環上の水素原子を取り除いた類縁体を含めてと総称される。 ==o-ベンザイン== ===存在の提唱=== o-ベンザインの存在はらによって1927年に初めて提唱された。ゲオルク・ウィッティヒは1940年にフルオロベンゼンとフェニルリチウムを反応させた際に2-リチオビフェニルが生成してくることを見出した。ウィッティヒらは1942年にこの反応の機構としてフルオロベンゼンのオルト位がリチオ化された後フッ化リチウムが脱離して''o''-ベンザインが生成し、これにフェニルリチウムが付加して2-リチオビフェニルとなるという機構を提唱した。また1953年にはJ.D.ロバーツらによってクロロベンゼンと液体アンモニア中のナトリウムアミドからアニリンが生成する芳香族求核置換反応で、塩素原子の結合している炭素原子を14Cで同位体標識しておくと、生成物のアニリンのアミノ基の結合している炭素とその''o''-位の炭素が50%ずつ同位体標識されるという結果が報告された。 この結果は、クロロベンゼンから塩化水素の脱離により生成した対称なo-ベンザインにアンモニアが付加したと考えるとうまく説明できる。また1956年にはウィッティヒらによって1-ブロモ-2-フルオロベンゼンをフラン中でリチオ化すると、''o''-ベンザインとフランがディールス・アルダー反応したと考えられる生成物が得られてくることが報告された。 これらの研究によって''o''-ベンザインが実在していることはほぼ間違いないものと考えられるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ベンザイン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Aryne 」があります。 スポンサード リンク
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