|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。
ジャガイモシストセンチュウ ()、() は茎線虫目に属する線虫の一種。 線虫には色々な種類が有るがこのうち農作物の根に寄生し瘤をつくるものが英語名でネマトーダとも呼ばれ農作物害虫として農業者の一番の天敵である。この内ジャガイモに寄生するものがジャガイモ線虫で有り、メスの線虫は大量の卵を生みこの卵はメスが死んでもその体が球形になった包嚢、となり、その中で永く生存(一説には10年も)し、それが孵化するとまたジャガイモの根に寄生し、卵を生むと云うサイクルを繰り返す。この線虫卵の包嚢をシスト()と呼び、シストの状態では駆除が難しく厄介な農作物害虫である。特にジャガイモ生産の多い北海道では1972年に被害が確認され毎年この防除に努めている。 == 特徴 == ジャガイモシストセンチュウの宿主植物はアカザ属とナス科植物(トウガラシ、ジャガイモ、トマトなど)に限定されており、他科植物に寄生することはできない。ジャガイモシストセンチュウが寄生すると、その植物の根に侵入して栄養を摂取する。メスはやがて数百個の卵を内包したまま死に、その死体は一般的に直径 0.6mm で黄褐色の嚢胞(シスト、)を形成する。このシストは耐薬剤性があり乾燥や低温に強くメスの卵を保護する役割を持ち〔、奇主植物が現れるまで10年以上休眠状態を維持することができる。このため、輪作や農薬の効果は低く〔、この害虫の根絶には30年以上かかる〔。 寄生の症状は一般的に植物の生長の弱化(クロロシス)および枯死である。重度の寄生は根系の縮小、水ストレス、栄養不足を導き、間接的に植物体の早期の老化および真菌感染への感受性の増大を引き起こす〔。ジャガイモシストセンチュウの侵襲症状は一つではなく、このため、害虫の同定は通常、土壌サンプルの試験を通して行われる〔。寄生症状が現れるまでには数年かかり、寄生から5 - 7年間気づかれないことが多い。 またシストは鶏に食された後の糞中では死滅しているが、豚に食されても48時間以内に排泄された糞中のシストは寄生能力を持つ。この理由は体温の違い(鶏:約42℃、豚:約39℃)によると考えられている。すなわち、シスト内卵と幼虫は38℃なら120時間、39℃なら48時間生存するが、40℃と42℃なら24時間後、44℃なら6時間後に死滅する〔。 圃場土中での分布は、水平方向で見ると耕耘や収穫作業の方向に広がり、収穫時の一時集積場所で高い。垂直方向では、ジャガイモの根の分布と一致し大半が地表から25cmまでの深さに分布するが、小数であるが50cmまでは分布する〔稲垣春郎、ジャガイモシストセンチュウの日本への伝播経路 熱帯農業 Vol.48 (2004) No.5 P324-329, 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジャガイモシストセンチュウ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|