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ジャガイモシロシストセンチュウ (''Globodera pallida'') は茎線虫目に属する線虫の一種。植物、特にジャガイモの病原体としてよく知られる。作物に大きな損害を与えることから、経済的に最も重要な植物寄生性線虫の一つだと考えられている。また、シストを形成する線虫を研究する上でのモデル生物としても利用されている〔Cotton, J. A., et al. (2014). The genome and life-stage specific transcriptomes of ''Globodera pallida'' elucidate key aspects of plant parasitism by a cyst nematode. ''Genome Biology'' 15 R43.〕。英名にはpotato cyst nematode, white potato cyst nematode, pale potato cyst nematode, potato root eelworm〔''Globodera pallida''. Invasive Species Compendium. CABI.〕, golden nematode〔''Globodera pallida''. nematode.net. Washington University in St. Louis.〕, pale cyst nematode〔Pale Cyst Nematode, ''Globodera pallida''. Invasive Species Factsheets, Michigan State University.〕などがある。 雌の体型は球形で、厚い網目状のクチクラを持つ。雌は体内に卵を保持したまま死に、褐色のシストとなる〔''Globodera pallida''. Nemaplex. UC Davis. Revised 2013.〕。生時の雌の体色は白から乳白色。ジャガイモシストセンチュウと外見的に似ているが、こちらは生時の雌の体色が黄色い点で異なっている〔。 雄の体型は蠕虫状で、C字やS字に捻れている〔。 本種はアンデス山脈を起源とするとみられるが、現在では温帯を中心に55の国家に広まっている。シストは非常に小さく頑強であるため土壌粒子の中でも生存可能で、農機具などの貿易や農業用水に乗って全世界に運ばれる〔。主要な宿主は、南アメリカから全世界へと広まったジャガイモである。ナス科に含まれるトマト、ナスなどの作物や、イヌホオズキなどの雑草に感染することも可能である〔。 幼虫は植物の根を摂食する。受精卵は雌の体内で成長し、雌が死んで堅固なシストとなると成熟した卵はその内部で保護されることとなる〔。シスト内の卵は最大で30年生存する〔。シストは根から外れて土壌内に落ち、土壌の輸送とともに運ばれる。感染を受けた植物は黄色く変色して萎れ、葉が脱落する〔。 特にヨーロッパにおいて農業害虫として重要である。イギリスだけで見ても、本種により年間およそ5000万ポンドの経済的損失が生じている〔。感染拡大を防ぐための最善管理慣行を定めた法律が発効している。国境を越えた土壌とジャガイモの輸送は検疫により監視されている。農具の除染、土壌の線虫検査、汚染土壌の除去が行われているほか、病原性の高い線虫の出現を防ぐために、感染に耐性のある栽培品種とない品種を交互に栽培することも行われている〔。 現在では本種はほぼ全世界で見られるが、米国では厳しい検疫が行われてほぼ排除されている。例外的に、2006年にはアイダホ州で大流行が発生した〔。日本はこの流行を受けて、数年間にわたってアメリカからのジャガイモ輸入を禁止した〔。 2014年に全ゲノムのが達成されている〔。 == 脚注 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジャガイモシロシストセンチュウ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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