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ジャザリー[ちょうおん] アル=ジャザリー(、بديع الزمان أبو العزّ بن إسماعيل الرزّاز الجزري)、全名 Badī' al-Zamān Abū al-'Izz Ibn Ismā'īl ibn al-Razzāz al-Jazarī(1136年 - 1206年)は、現在のトルコのディヤルバクル出身のアラブ人博学者であり、ウラマー、発明家、機械工学者、職人、芸術家、数学者、天文学者である。特に1206年の著書 كتاب في معرفة الحيل الهندسية ''Kitāb fī Ma'rifat al-Ḥiyal al-Handasiyya''(『巧妙な機械装置に関する知識の書』)でよく知られており、その中で50の機械装置の詳細とその組み立て方を解説している。 == 伝記 == ジャザリーについては、前掲の彼の著書の序文以外にほとんど記録がない。名前は生誕地であるジャズィーラ地方(メソポタミア北部、チグリス川とユーフラテス川に挟まれた現在のイラク北西からシリア北東にかけての地域)に由来する。モースルを治めるザンギー朝の諸侯としてアナトリア半島東部を治めたトルコ系アルトゥク朝(後には、アイユーブ朝のサラーフッディーンに仕えた)のディヤルバクルにある宮殿で、父の後を継いで技師長として仕えた〔Donald Routledge Hill, "Mechanical Engineering in the Medieval Near East", ''Scientific American'', May 1991, pp. 64-9 (cf. Donald Routledge Hill, Mechanical Engineering )〕。 ジャザリーは職人の伝統も受け継いでおり、そのため発明家というよりも技術者としての側面が大きく〔Donald R. Hill, in ''Dictionary of scientific biography'', 15, suppl. I, p. 254.〕、「基盤となっているテクノロジーよりも、装置を組み立てるのに必要な技能に興味を持っている」人であり、その機械は一般に「理論的な計算によるのではなく、試行錯誤で組み立てていく」ことが多かった。彼の著書『巧妙な機械装置に関する知識の書』(''Kitāb fī Ma'rifat al-Ḥiyal al-Handasiyya'')は多数の写本が発見されていることから、非常に人気があったと思われる。その中で彼が繰り返し述べているように、自分自身で実際に組み立てた装置しか載せていない。Mayrによれば、この本のスタイルは今日のDIY本によく似ている〔pp. 32–33, ''The Origins of Feedback Control'', Otto Mayr, MIT Press, 1970, ISBN 026213067X.〕。彼の装置はそれ以前にあった装置から着想を得ており、例えば彼の記念碑的な水時計は Pseudo-Archimedes(イスラム世界でアルキメデスの作と伝えられていた文献)に基づいている〔Ahmad Y Hassan, Al-Jazari And the History of the Water Clock 〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジャザリー」の詳細全文を読む
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