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ジャミトフ ( リダイレクト:ジャミトフ・ハイマン ) : ウィキペディア日本語版
ジャミトフ・ハイマン

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ジャミトフ・ハイマンJamitov Hymem 宇宙世紀?〜0088年1月)は、アニメ機動戦士Ζガンダム』および、OVA機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する架空の人物。高齢であることは確実だが、詳しい年齢は不明〔連邦軍士官学校の同期であるメラニー・ヒュー・カーバインは、67歳と設定されている。〕(、『機動戦士Ζガンダム』前半:池田勝、同後半・『機動戦士Ζガンダム A New Translation』・『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』:西村知道)。
== 人物 ==
地球連邦軍特殊部隊・ティターンズの創立者であり総帥。大陸復興公社総裁、インターナショナル国債管理公社〔地球連邦政府の賭博組合〕総裁も兼務している。階級はデラーズ紛争時は准将、グリプス戦役時には大将。
ジャミトフはアースノイド出身のエリートではあったが、地球を汚染し続ける地球連邦政府と地球連邦軍のエリートを憎悪しており、地球環境再生の一環として人類の大規模虐殺を実行したジオン公国ギレン・ザビに共感していた。地球環境破壊の原因をアースノイドを含む地球圏の人口増大にあると考え、「少数のエリートによる地球圏の管理統制」を目指したギレンの思想に影響を受けたジャミトフは、地球環境の保護・管理のために、地球連邦政府の独裁的支配や、アースノイドを含む人類の大半を粛清するための大規模戦争を目指すようになったという〔『週刊ガンダムパーフェクト・ファイルNo.35』 P.25〕。
一年戦争から何も学ばず、地球再開発に名を借りた環境汚染と、地球における既得権の拡大にのみ執着する地球連邦政府の醜態を目の当たりにしていたジャミトフは、地球上の全人類を殺戮してでも地球の再生を実現しようと考えており、それを極秘裏・合法的に実現するためにティターンズを強化して権力の集中を推し進め、軍事国家的な統制政府を作り出そうとしていた〔『機動戦士ガンダム キャラクター大図鑑 Ⅱ巻』P.34〕。ジャミトフをアースノイド至上主義者だと考え、危険視しているエゥーゴの指導者ブレックス・フォーラは、ジャミトフがティターンズの権限を拡大して地球連邦軍の指揮権を掌握しようとしていることを理由に「第二のザビ家を目論む男」と揶揄していた〔実際は、ジャミトフは自身の血類縁者の全てと絶縁・訣別しており、この点が一族による専制を目指したザビ家とは異なる。〕。
が、ジャミトフがティターンズを設立した真の目的は、地球経済に打撃を与えて、地球上の選民を抹殺することにある〔富野由悠季『機動戦士Ζガンダム 第三部 強化人間』角川スニーカー文庫 P.200〕〔『機動戦士ΖガンダムIII A New Translation -星の鼓動は愛-』のパンフレットでは、「アースノイドのエリートを中心とした地球圏の恒久的な支配」だと記述されている。〕。この思想は、地球の再生を目指した地球至上主義ゆえであったが、彼は特に極端なやり方を考えていた〔竹書房『機動戦士ガンダムU.C.0084-0089』28頁。〕。汚染された地球環境再生のためにはアースノイドを含む人類の大量虐殺も想定されていたほか、表向きは、地球在住を認められていた地球連邦政府関係者や地球連邦政府議員も粛清対象であった〔『週刊ガンダムパーフェクト・ファイルNo.35』 P.26〕。
パプテマス・シロッコはジャミトフの理想は、アースノイドを根絶やしにするために地球連邦軍をティターンズにし、戦争によって地球経済を徹底的に窮乏に追い込んでアースノイドを餓死させ、地球から人間を消しさることによって地球を自然に戻すことであり、ティターンズとエゥーゴは同じ目的のために戦争をしていると語っている〔『機動戦士Ζガンダム VOL2』 P.62〕。実際、ジャミトフは「頑迷な人々は、地球上で掃討し、無知無能な者は、コロニー開発に追いあげる。それが、地球上から人間を排除する方法なのだ。今となれば、地球に残りたがるエリート意識に凝り固まった選民は、危機に陥った地球に残して、飢えさせれば良いのだ。が、そんな手段を講じているうちに地球が疲弊しすぎるという危機感があるからこそ、軍を組織して地球経済に打撃を与え、ついでに地球上の選民を抹殺する」ことを予定していた〔富野由悠季『機動戦士Ζガンダム 第三部 強化人間』角川スニーカー文庫 P.199~200〕。
ただし、ジャミトフの地球環境再生への執念は、スペースノイドの間で広まったエレズムとは違うものであり、スペースノイドへの反感から端を発したものであった。ジャミトフにとってスペースノイドは地球を食い荒らす寄生虫であり、ニュータイプは人類の存在を脅かすミュータントでしかなかった。これはジャミトフが地球連邦政府の傲慢と堕落ぶりを目の当たりにしたことによってもたらされた確信であった〔。ニュータイプに関してジャミトフは、人は只今の現れ方でもニュータイプのような感覚の共有は可能だと信じており、愛情という言葉の意味をはなれた解釈だけですませて、その解釈の中でのみ利用しているから愛情が小さくなるのであり、人の意思と感性の狭隘さを突破するだけで、人はニュータイプになり得るという信条を持っていた〔富野由悠季『機動戦士Ζガンダム 第四部 ザビ家再臨』角川スニーカー文庫 P.307~308〕。
しかし、バスク・オムなどには、地球環境の汚染を憂慮したジャミトフの真意は伝わっておらず、反感を買うようなスペースノイドに対する過剰な弾圧を繰り返すばかりであった。とくに30バンチ事件グラナダへのコロニー落としなど、バスク配下の部隊による残虐行為には、結果がティターンズを利するものでも、かなり苦々しく思っていたようである。グラナダへのコロニー落としに関しては、地球連邦政府総会対策として、地球連邦政府の反ジャミトフ派がいうことをきかない場合には行う考えであった〔富野由悠季『機動戦士Ζガンダム 第三部 強化人間』角川スニーカー文庫 P.201〕が、グラナダをグリプス2のコロニーレーザーで攻撃して破壊するというバスクが提案した作戦に対してはグラナダを失うことになるとして消極的だったほか、バスクが己の力を過信して増長していることを感じていた〔富野由悠季『機動戦士Ζガンダム 第四部 ザビ家再臨』角川スニーカー文庫 P.247~248〕。
『機動戦士Ζガンダム』の準備稿によれば、ジャミトフはティターンズが善戦して、戦争が始まってすぐにエゥーゴが壊滅する事態を恐れていたという。また、ジャミトフはスペースノイドを羨望しており、人は地球に縛られてはならないと考えていたが、自分は地上から足を浮かせるだけの勇気を持てなかったという。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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