|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。
ジャン・デュドネ(Jean Alexandre Eugène Dieudonné、(ディュドネ)、1906年7月1日 – 1992年11月29日)はフランスの数学者。 == 人物 == エコール・ノルマル・シュペリウール卒。抽象代数学、関数解析、の研究で知られる。更に数学史の研究者でもあり、代数的位相幾何学や関数解析学の歴史についての研究がある。彼のおもな業績は古典群〔J. デュドネ『人間精神の名誉のためにー数学賛歌ー』 高橋礼司訳、岩波書店、1989年。〕(これに関する本は『古典群の幾何学』という題名で1955年に出版された)、形式群〔、そして現在と呼ばれているデュドネ環上の加群論の導入であり、前者の分野で著しい影響を与えた。位相線形空間の業績も有名である〔。 料理と音楽が趣味であった〔高橋礼司 「デュドネ」『数学セミナー2006年12月号 』、日本評論社、30〜33頁。〕。料理は芸人はだしの腕前であり、来客時にはデュドネが料理をふるまった〔。また、幼少時からピアノを習っており、第二次大戦中ですら毎日1時間の練習をかかさなかったという〔。 ブルバキの主要人物であり〔J.ファング 『ブルバキの思想』 森毅監訳、河村勝久訳、東京図書、1975年。〕〔〔井関清志・近藤基吉共著、『現代数学ー成立と課題ー』、共立出版、1977年。ISBN 978-4-535-78114-6。〕、アレクサンドル・グロタンディークをローラン・シュヴァルツとともに薫陶し、グロタンディークとともにEGAをブルバキのペンネームで書いた〔。特にグロタンディークの初期の仕事に非常に大きな影響を与えた。 政治的にはブルバキの他のメンバーの大半が左翼だったもののデュドネは右翼であった〔 倉田令二朗、『数学の天才と悪魔たち ノイマン・ゲーデル・ヴェイユ』、河合文化教育研究所、河合ブックレット9、1987年、55頁。ISBN 4-87999-908-3〕。 詳細は後述するが、全9巻にもわたる解析学の教科書を60年代から執筆しはじめ、こちらも世界的に有名である〔。 また、現代数学のほぼすべてに精通していた貴重な数学者の一人〔としても有名であり、数学全般にわたる著述も多い〔。 また60年代、フランスの数学教育の現代化を唱え〔斎藤正彦 『数のコスモロジー』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫Math&Scienceシリーズ〉、2007年、28〜29頁〕、ユークリッド幾何学の廃止を主張した(線形代数と初等幾何のまえがきを参照)。 講演記録『1973年における純粋数学の一般案内』〔Jean Dieudonné; Orientation Générale des mathématiques pures en 1973. Gazette des mathématiciens(1974年10月)。〕において、数学者を研究テーマや方法により階級分けし、最高貴族から奴隷にまで6段階に分類した。この階級表は講演の末尾に記録がある。純粋数学には貴族理論と奴隷理論があり、神に選ばれた絶対的な崇高なる貴族理論に奉仕するのが数段劣る下劣な奴隷理論であると定義し、しかも元は貴族理論であっても理論が完成したり多分野との交流がなくなったりしてめぼしい問題がなくなり、重箱の隅をつつくような細かい研究に没頭するようになればやがて奴隷理論に堕するものとデュドネはいう。これによれば真新しいアイデアや理論を創造できる研究者は一部の絶対的存在である選民であり、この選民に該当する数学者は18世紀に8人、19世紀に30人、20世紀ではほぼ毎年一人と大目に見積もっても全体で約150人程度にすぎず、定理や理論の価値が判断できるのもまたこの選ばれし階級の数学者のみであると言った〔斎藤正彦 『数のコスモロジー』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫Math&Scienceシリーズ〉、2007年、28〜29頁〕。 他にもさまざまな方法で数学や数学者を分類しており〔、ウィスコンシン大学にて「ゴミクズ論文ばかり大量に執筆されているが、このゴミの山から現代数学の創作物を作るのはたやすい、しかし本当にそれは必要なものなのか、よく考えて自省すべきだ」など過激な意見を述べ物議をかもしたりした〔。 更に数学者には戦術家と戦略家の2タイプがおり、前者は古典的手法を主に使って、新しいひねりを加える手際の良さがあり、以前試みが回避された解に到達する。一方で戦略家は得られた解が明らかであるまで徹底的に分析しつくし、とにかくあらゆる概念間の関係が完璧に理解するまで絶対に納得出来ないタイプだという〔。特に後者こそが現代数学の発展には必要であるが、一部の勘違いした連中や初等数学においてはそうとも言えず誤解されているとも言っている〔。とはいえ実はこれらは相補的であり、ブルバキのメンバーはこの両方の考え方が使える二刀流が多かったとされ、両方使えてこそ数学のための福利にもなると述べている〔。 他にも古典主義者、現代主義者、抽象主義者の3タイプにも分類し、ある抽象的な数学理論があったとして、これを評価するならば前2者ではその理論を古典的・伝統的な内容に適用したとき、多産な結果が生まれることで評価するが、抽象主義者は自明ではない結果がでるのであれば十分有効な理論であると評価するとしている〔。 レオン・モチャーンに根回ししてIHÉSを設立させた。数学者としても非常に優れており、デュドネ理論は現在において非常に重要な理論である。著書『人間精神の名誉のために』で「数学をするとは人間精神の自由な発露であり、人間精神の名誉ために数学をする」という文句を残している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジャン・デュドネ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|