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ジュブナイルポルノ(Juvenile porno)は、アニメ・マンガ調のイラストをカバー・表紙・口絵・挿絵などに使用した、異性間もしくは同性間、さらには人外のものとの性描写を含む娯楽小説であり、官能小説の一ジャンルである〔「噂の眞相」2001年4月号116ページ参照〕。一般にはジュブナイルポルノと呼ばれることは稀であり、エロライトノベルとも言われる。 == 特徴・特色 == 現状のこのジャンルの特徴的な要素として、以下のような事柄が挙げられる。現在刊行されているものについて言えば、ライトノベルのレーベルから刊行されている小説作品群の影響が随所に色濃く、主対象としている読者層の違いなどが一般的な官能小説との差異点を生み出す主な要因となっている。 ; 様式・体裁 : 比較的平易な言葉で書かれており、活字も大きめである。文庫本の体裁だけを見るならば、一般的な官能小説よりはむしろライトノベルとの共通項が多い。レーベル共通の装幀はライトノベルレーベルの様式を踏襲したデザインで、カラフルな色使いなものが多い。 ; 作品タイトル : 作品タイトルの命名法は、その時点のライトノベルで主流になっている傾向がストレートに反映されることが多い。わかつきひかるが『AKUMAで少女』のあとがきなどで記しているところによれば、ジュブナイルポルノ業界では、本の題名および章題は、一般的な官能小説と同様に、著者ではなく編集者が付けるものであるという。同様に、主人公以外の男性キャラをあまり登場させてはいけないという暗黙の了解があるという。 ; イラスト挿絵 : 一般的な官能小説ではあまり見られない、ライトノベルと同様の様式で本文ページ中に挿入された挿絵が多数存在する。ただし、挿絵の多くは性的な描写である。表紙・挿絵にアニメやマンガ調のイラストが多用される。挿絵担当者の多くは成人向け漫画を手掛ける漫画家かアダルトゲームの原画担当者などであり、同様のタイプのキャラクター、人物を中心とする装幀だが、肉感的な劇画調が基本の一般的な官能小説とは質的に大幅に異なる。挿絵担当者には、ライトノベルの挿絵担当者としても活動している人物が多い。 ; キャラ設定・作品設定 : 一般的な官能小説ではセールス上の観点から禁忌とされるファンタジー・SFなどの世界観が幅広く用いられ、また読者に受容されている。現代の学校や時代劇的な要素も含めて舞台設定の構築やキャラクター設定については、一般的な官能小説よりも作者に与えられる裁量が大きい。登場人物がなんらかの特殊能力や超能力などを持っているという設定の場合がある。性交や性的興奮を通じて能力が発動する設定や、特殊能力を巡るアクシデントが性的な場面を引き起こすきっかけになるという展開が多い。 : 人間以外の存在が登場する場合がある。例えば天使や悪魔(特に淫魔)、アンドロイド(セクサロイド)、触手を持つモンスター、妖怪など。登場人物の年齢設定は主人公・ヒロインのいずれもが10代である場合が多く、高くとも20代半ばぐらいまでが限度であることがほとんどである。ただし、陵辱ものの作品を中心に脇役として中高年の男が登場する場合もある。 ; 性的描写 : ライトノベル調や萌え系のものなどを中心に、通常の官能小説よりも性的描写の占めるページ比率が低く、恋愛小説・ラブコメ的な描写や萌え表現に多くのページが割かれる。ライトノベル調がさらに強調されると、性的な描写や挿絵こそあるもののいわゆる「前戯」段階までで終わってしまい、肝心の性交行為の描写が無いものさえある。なお、凌辱ものはこの限りではない。 ; メディアミックス : 文庫オリジナル作品については、アダルトゲームとの競合があるため、各種メディアミックス展開、特にアダルトアニメ化については行われる率は非常に低い。ただし少数ながらも、ジュブナイルポルノ及び官能小説原作のオリジナルビデオ映画作品は存在する。 以上の特徴のうちでも幾つかの要素については、女性向けで美少年の同性愛を描くボーイズラブと極めて類似しているが、混同されることは少ない。ただし、ジュブナイルポルノでも稀にではあるが人間関係を描く中でバイセクシャル的な要素を絡めて男性キャラクター同士の同性愛描写やそれを示唆する物語展開が見られることはある。 さらに通常の官能小説の多くは文庫で発売されるが、近年文庫での刊行点数が増えているとはいえ、かなりの割合が新書判で発売されるいることも特徴である。 通常の官能小説と同じく、コミックやゲームとは異なり発売元により成年指定が付けられることは基本的に無い。ただし、2008年以降、新書判として発行される作品に関しては成年向けとしてマークが付与されるものも増えており、非成年指定作品であっても、小売店によっては18禁作品として扱うこともある。 また、販売面についても特徴的な要素が存在する。作品の多くが官能小説よりもライトノベルの様式を踏襲しているものの、売り上げ面の他、表紙の見た目がライトノベルと大差無く、成人指定されないことも多いことから内容がポルノであることを理解されないまま手にとられてしまう懸念があり、さらに地元地域のPTA・教職員組合などの団体の活動が活発な場合には、彼らの監視の目が厳しいことなどへの意識などから、取り扱いを躊躇している店舗も多く、一般書店についてはライトノベルレーベルと比較すると取り扱う店舗が実質的に半数以下と言われている。大手書店チェーンですら取り扱いを全く行っていない店舗もある。取り扱い店舗数が少なければ必然的に販売部数も少なくなるため、ヒット作に恵まれにくい体質が多くのレーベルで恒常化している。また、取り扱う店舗にしてもこのジャンルが占有するスペースはごく小さかったり、一般のライトノベルの棚に置かれていたりすることも多い。これら通常型書店での扱いの少なさを、アダルトビデオ中心の書店への積極的な配本で補おうとするレーベルも見られるが、このような店舗の場合、成人向け漫画の店頭在庫を大量に持つ店舗でもジュブナイルポルノの取り扱いが皆無であるものが珍しくない。 その上、上述したように、文庫オリジナル作品についてはアダルトゲームとの競合がある為にアダルトアニメなどのメディアミックス効果への期待が乏しいなど、レーベル経営に際しての課題は非常に多い。これらの事情から、結局はヒット作や売上の不足のため比較的短期間で刊行終了・絶版となるレーベルは多く、刊行を継続するにしても、アダルトゲームのノベライズ作品に限定するなど、早い段階で活動規模を縮小していくレーベルは珍しいものではない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジュブナイルポルノ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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