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ジョバンニ・ジローラモ・サッケーリ : ミニ英和和英辞書
ジョバンニ・ジローラモ・サッケーリ[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ジョバンニ・ジローラモ・サッケーリ ( リダイレクト:ジョヴァンニ・ジェローラモ・サッケーリ ) : ウィキペディア日本語版
ジョヴァンニ・ジェローラモ・サッケーリ[ちょうおん]

ジョヴァンニ・ジローラモ・サッケーリGiovanni Girolamo Saccheri, 1667年9月5日サンレーモ - 1733年10月25日ミラノ)はイタリアイエズス会に所属した数学者である。1694年からパヴィア大学で哲学と神学を教え、1697年からトリノ大学で哲学の教鞭を執った。 1699年にはパヴィア大学で数学の終身の教授に就任した。死の直前に発表された論文「あらゆる汚点から清められたユークリッド」(''Euclides ab Omni Naevo Vindicatus'', 1733年)は、後の非ユークリッド幾何学の成立に大きな役割を果たした。
== 非ユークリッド幾何学についての功績と認識 ==

彼はユークリッドの第5公準を他の4つの公準から証明するという古代からたくさんの数学者を苦しめてきた問題を、第5公準をそれと同値命題「全ての三角形内角は2直角に等しい」に置き換え(この置き換えは13世紀アラビア数学者ナシールッディーンにより示されていたもので、サッケーリはこのことを''直角仮定''と呼んだ)、これに対し、互いに背反する2つの命題「全ての三角形の内角の和は2直角よりも小さい」(''鋭角仮定'')、「全ての三角形の内角の和は2直角よりも大きい」(''鈍角仮定'')が共に矛盾を導くことを示し、直角仮定、したがって第5公準を証明するという手法(つまり背理法である)で解こうとした。サッケーリは前述した論文「あらゆる汚点から清められたユークリッド」で第5公準の代わりに鋭角仮定又は鈍角仮定を公準としてさまざまな定理を導き、特に鈍角仮定を付け加えると直線の長さが無限であるという第2公準と矛盾することを示した。したがって残りの鋭角仮定から矛盾が発生することを導き出せば第5公準は他の4つの公準から導き出せる定理だということが証明されるのだが、彼が導き出した鋭角仮定の反証はその中で第5公準が使われていたため当初の目的は達成できなかった。
サッケーリが自分の論文の中で鋭角仮定から導き出した定理は後にロシアの数学者ニコライ・ロバチェフスキーハンガリーボーヤイ・ヤーノシュドイツカール・フリードリヒ・ガウスによって再発見され双曲幾何学の定理として認識されるようになる。サッケーリと彼らの大きな違いはサッケーリがユークリッド幾何の完全性を信じ、それに反する公理から導き出されたこれらの定理を反証されるべき誤った定理と考えていたのに対し、ロバチェフスキーらは鋭角仮定(彼らはを含む三角形の内角の和を使った公理ではなくジョン・プレイフェアによる一点を通る平行線の数を使った公理を使ったためこういう言い方はしていない)を含む5つの公準から導かれたユークリッド幾何学とはまた別の新しい幾何学の定理と認識していたことである。サッケーリがこれらの定理を新しい幾何学の定理と考えて書いていたら彼が非ユークリッド幾何学の創始者と言われていたことだろう。当時はサッケーリのようにこのようなユークリッド幾何学の絶対性を信じていた者がほとんどであった。これはちょうど同じ時代を生きたドイツイマヌエル・カント啓蒙思想にも反映されており、彼の認識論では人間には外部からの情報によって創り上げられる概念とは別に絶対的な真理として空間(ここでの空間はユークリッド幾何に従う空間)と時間の概念をすでに持っているということがいわれている。この考えは長らく人々に支持され続け、ロバチェフスキーやボヤイ、それにもう一つの非ユークリッド幾何学である楕円幾何学を考案しガウスの微分幾何学を使って楕円幾何学と双曲幾何学とを曲率に関係付けまとめたリーマン幾何学の創始者であるベルンハルト・リーマンらの業績が認められるのに大きな障壁ともなった。サッケーリはユークリッド絶対主義の最後期を生きた人間であり、リーマン以前にはユークリッド幾何の完全性に最も近づいた人間と評価されたのに対し、リーマン以降は非ユークリッド幾何学の発見に後一歩及ばなかった人間と評価が一変することになる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Giovanni Girolamo Saccheri 」があります。




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